写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

最強の麺

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麺をこよなく愛している。
日本は北から一子相伝の稲庭うどん、水沢うどん21店、氷見うどん15店、きしめん18店、讃岐うどん100店以上、五島うどん2店、博多うどん4店と食べ歩いている。
その中で最も美味しかったのが、今でも忘れぬ讃岐の雄「彦江(坂出市)」だった。しかし、なぜかこの店が惜しまれながらも閉店しからというもの、目の覚めるような饂飩と出逢うことが無くなった。
今から8年前、僕は富士山の三合目に移住した。ちょうどパタゴニアに2年住んで帰国したときだ。
住所は山梨県鳴沢村だったが、山を下りれば富士吉田市や河口湖町。この地は富士吉田を中心とする「吉田うどん」の聖地でもあった。
その頃は今のようにうどんマップなるものは無く、迷いながらも一軒一軒食べ歩き、吉田うどんも100店以上食べた。
その中で、またもや伝説の店があった。今まで食べたどのうどんよりも堅いのだ。讃岐のコシというよりも、完全に茹で時間が短いため、中心にまだ芯がうっすら残っている。でも噛めば噛むほど、味が染みわたった。
僕はうどんも蕎麦も、基本的に温かいものは殆ど食べない。冷やしうどんかザル。それも堅い麺をこよなく愛している。
その店は「益美や」さん。通い続けていたが、大将が腱鞘炎にかかったため、この店も数年後、閉店に追い込まれる。
でも、友人から益美やさんと同等の堅い麺を出すところが出来たと噂を聞いた。今朝、起きたら、富士山がおいでおいでと手招きしていたので、仕事をすべて放り出して、富士へ向かった。
山中湖と雄大な富士の写真を撮影してから、いざ目的地の店Mへ。ここも益美や同様、ナビが無いと、ほぼ行くことが出来ない細い路地の果てにある。
中へ入ると、吉田うどんのスタンダード、まさにおばあちゃんの家状態。テーブルに置かれた紙に、冷やし、大、と書いて渡す。これも標準的。
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ものの2分もしないうちに、冷やしうどんがやって来た。
むむむ、この麺の太さ、そしてネズミ色の麺。吉田うどんは富士の伏流水でゆすぐことで、化学反応を起こしネズミ色になる。箸で
持つと麺が重い。
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「むほっ、むほっ、あああぁぁ」
この瞬間を待っていた。
この顎が筋肉痛になるような堅さ。ある人の言葉を借りれば、ミシュランのゴムを食べているような弾力。つるつるっとなんて決して啜れない。角が立ち、スクリューしているため、喉にドリルが刺さるように落ちていくのだ。噛んでちぎって、もぐもぐ。まるで小麦の棒を食べているよう。でも、噛めば噛むほど、上等な小麦の味があふれ出て、カツオ出汁によく合った。そこにわかめとキャベツのハーモニー。
完璧だ。
ようやく見つけた。日本最強の麺、最も太く、最も堅い麺が、富士吉田に誕生した。
        ノムラテツヤ拝
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