少女のブランケット2018-01-30 Tue 16:50
![]() 機体は最終着陸態勢に。 あんなちゃん、おばあちゃんのところでたっぷり甘えておいで。 きっと、おばあちゃんのほうがそわそわして待っているんだろうね。 ダメだ。自分の時のおじいちゃん、おばあちゃんの気持ちが心に流れ込んできて、胸が痛くなる。 あんなちゃんの手がまた、僕の左手の上に乗った。 飛行機に初めて乗ったときの気持ちを思い出させてくれてどうも有難う。 少女は少し緊張しながらも真っ直ぐ前を向いていた。 この子はきっと素敵な人生を歩んでいくだろう。不思議と確信めいた想いが湧き上がった。 無事に伊丹空港に到着して出ようとすると、あんなちゃんは自分の座席に置いたブランケットを大切に抱き抱えた。 「んっ、どうするんだろ? もしかして持って帰っちゃうとか?」 少女の後ろに着いていくと、機体の出口に立つフライトアテンダントの前でピタリと足を止めた。 「これ、どうも有難うございます」 抱きしめていたブランケットを、少女は手渡しでアテンダントに返したのだ。 「なんて素晴らしい教育。あんなちゃんのお母さんに逢ってみたいわぁ」 心にぽわんと火が灯ったフライトだった。 あんなちゃんに逢えてよかった。僕は一生忘れません。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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