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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

父母旅

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「これから毎年1度、僕が2人を世界中何処へでも案内するよ。その代わり決まりが一つ。行き先は母が決めてね」
第1回(2000年)の旅は、母が最も見たいと切望したアラスカのオーロラ。父母の頭上に、連日降り注ぐようにオーロラが踊った。
2回目はバリ島。生活の中に神を見る。神の共存する人々を触れ合い、聖なる地・アグン山を見上げて還暦を祝った。
3回目はペルー。阪根ひろちゃんに天野博物館で最高のアテンドをしてもらい、マチュピチュやナスカ、パルパの地上絵を見た。ペルーの激ウマな食事に、母は目を細め、父は叫んでいたなぁ。
4回目はパタゴニア。アルゼンチンの尖峰・フィッツロイの麓を歩き、氷河のきしむ音、崩落するのを、父は飽きることなく眺めていた。
5回目はイグアス&イースター島。イグアスの圧倒的な水量に感嘆し、夜は満月の虹を見に出かけた。イースター島では満月の下、瞳のあるアフタハイ像の下で瞑想し、ラノカオ火山に聖なる石を見に行った。
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6回目はメキシコとグアテマラ。マヤの世界観に触れ、テキーラをあおる。グアテマラの民族衣装に、この大地が持つ歴史の深さを感じた。
7回目はパタゴニアの家に来てくれ、南部の秘境コクラネや、アルゼンチン側の北部パタゴニアの紅葉を楽しんだ。
8回目は南アフリカの600キロ続く世界最長の花園を満喫した。花好きの2人はキャッキャ言いながら、あーでもない、こーでもないと盛り上がっていた。どうしてもシマウマが見たかった母、その夢も叶った。
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9回目はラオス&タイ、バンコクのマッサージー屋で長年抱えていた母の膝の痛みが嘘のように消え、ラオスのルアンパバーンで托鉢の美を見た。
10回目はオーストラリアの花園で、ハート型の花を見ながら父母の記念すべき古稀を祝った。
11回目はフィンランド&エストニアで新緑三昧、夏至祭も見学した。この頃からだろうか? 父がもうそろそろ海外は良いかなと言い始めたのは。
それなら国内にしようということで、12回目は北海道の道南、襟裳岬周辺を巡り、沢山のエゾシカと遊んでもらった。
今年もまた始まろうとしている。13回目は熊本&宮崎の旅。一体、どんな旅になっていくのかな?
父母がいてくれるということは、一緒にこの世で時間を重ねられるチャンスがあるということ。それであれば、僕は2人が生き続けてくれる限り、直に学ばせてもらいたいと願う。
ノムラテツヤ拝
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