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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

キスヴィン

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どうしても、会ってみたい女性がいた。
数カ月前、友人が送ってきたくれた一本の記事。それはこんなふうに始まった。
「ボトルはシャルドネが1本1万4000円、ピノ・ノワールが1万5000円と高級シャンパン並み。サントリーやメルシャンといった知名度のある大手ワイナリーの造るワインには1万円を超える高級ワインもある。しかし、4年前に醸造を始めたばかりの小さなワイナリーのワインに、数千円以上の値段が付くことはまずない。価格高騰の一因は、世界のワイン界の第一人者ジェラール・バッセ氏の「つぶやき」だった。2017年、日本を訪れた際にキスヴィンを訪問したバッセ氏は、発売前のピノ・ノワールを試飲。すぐさまツイッターで、「才能豊かな醸造家が造ったこのワインは、ユニークでセンセーショナル」と発信した。

会いたかった女性の名は斉藤まゆちゃん。僕より6つ年下のワイン醸造家だ。
アメリカとフランスで醸造について学び、それらを山梨勝沼のキスヴィン(ヴィンヤード(ワイン畑)にキスする)ワイナリーで、花を咲かせている。
「既存のものを大切にしつつ、常に既存を疑い、それらを打破していく」
僕は男女問わず、そんな人に惹かれてしまう。
富士吉田に住む友人を介して、河口湖のジビエ料理屋・トヨシマでまゆちゃんと御縁を結ばせてもらった。
キスヴィンワイナリーのスパークリング(甲州)から始まり、猪のパテやハムをつまみながら、ワイン談義。
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まずは直球でまゆちゃんに聞いてみた。
「ワインはよくテロワール(土地)で決まるというのは、どう思ってますか?」
「実は、わたし、テロワールという言葉が嫌いで。最初から良い畑なんてなくて、フランス、アメリカで成功してる有名な蔵は、何世代にも渡って必死に畑に手を入れて来たからなんです。ワインを作るのは人の想い、飽くなき研究と熱い情熱なんだと思います」
くぅ~、しびれる~!
ブドウの摘む時期、混ぜ方によるテクニックなどを教えてもらいながら、桜ポークとウドのピクルスに舌鼓をうつ。
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そして、一本、1万4000円のシャルドネがお目見え。
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ワイングラスに注ぐと、レイトハーベストのような黄金色。
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鼻を近づけると、パイナップルのような香りが漂った。
僕は甘いデザートワインが苦手。もしかしたらそっち方面なのかな?と口に含むと、驚くべきドライさ。シャルドネの華やかさとふくよかさは残したまま、後味はドライに消えていった。
「香りと味わいが、まったく違うんですね」
「わたしのアメリカの師匠の言葉なんですが、ワインの香りを超える味、というのを目指して作っています」
「アメリカ、フランスで学び、そこで醸造家を目指すという選択じゃなく、勝沼で勝負する可能性は何だったの?」
「ワインは土地ではなく人が作るもの、私がそこにいる限り、可能性があるんです。おばあちゃんになった時に、自分の納得できるワインになっていれば良いな」
キスヴィンワインの豊潤な味に皆ほろ酔いになりながらも、まゆちゃんは続けた。
「ワイン界の第一人者ジェラール・バッセ氏がコメントを書いてくれた時には驚いたけれど、実は、やっぱりわたしを見つけてくれましたか!って思った」
この言葉を言えるのは、ただの世間知らずか、誰よりも努力してきた人のどちらか。まゆちゃんは、大学生2年生の時にフランスのコルシカ島でワインと出会い、命を燃やして取り組む道を見つけたのだ。
それはなんと尊いことだろう。ワインの基本をアメリカの大学とフランスのワイナリーでがむしゃらに学び、それらを土台に日本で革新させていく。
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同世代で、また素敵な夢追い人を見つけた。まゆちゃん、今度はキスヴィンワイナリーで勉強させて下さいね。
          ノムラテツヤ拝
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