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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

キープの力

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今から15年前、27歳の時、僕は天野博物館を体験した。
阪根ひろちゃんのおじい様の天野芳太郎氏が作った宝箱のような博物館には、今から1000年前に興ったチャンカイ文化の土器や織物が所狭しと並んだ。その質と数は世界一を誇り、身分の高い人ではなく低い人までも副葬品が充実してた稀有な文化だった。
カラフルな絞りのパッチワークや、子供用の紺のポンチョ、
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太目の糸で織られた帽子など、
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乾燥した砂漠のペルー墓地からは、当時のままの姿で出土した。
「ラ」や「シャ」などの織り方は、日本で見られる以前からペルーに存在した。
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そして、インカの神髄ともいえるキープが。
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垂らした紐の結び目で数を表し、10進法で当時の人口や税金などあらゆる数を皇帝や神官に報告した。
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インカは文字を持つことがなかった。では劣っていたのか?
いや、そうじゃない。
「インカはアナログというものを越えて、最初から0と1の組み合わせのデジタル文化だった」
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15年前、阪根ひろちゃんからそう聞いて以来、何度見てもこの10進法のキープに魅せられる自分がいる。
数を1と0に分解して、編みこむ。そこには、制作当時の真心も一緒に結ばれているような氣がした。
                ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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