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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

目指す先

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通常は赤紫に色づく山梨の人気ブドウ種「甲州」。
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キスヴィンワイナリーの社長荻原さんは、紫になるときの皮から出る雑味が以前から気にいらなかった。まゆちゃんと相談し、試行錯誤しながらたどり着いたのが、緑色のままで完熟させる方法だった。今では、ワイン製造の大会社Mも、キスヴィンの方法を取り入れて作っているというから驚きだ。
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「栽培ノウハウなんて全部見せてもいいんです」とまゆちゃん。
どうしてここに枝を残すのか、葉っぱをひとつ切ることでどれだけ日光を入れるのか? ブドウ作りとは、ブドウの気持ちになり、ブドウが気持ちよく生育できるように環境を整えてあげること。日々、ぶどうと会話して、手と心をかけていくことの果ての結晶なのだと教えてもらった。
社長のAさんがいう。
「ひとつの会社に2人の天才がいることは稀。キスヴィンワイナリーは特別だね」
「ぶどう造りの天才のうちの社長が野村さんたちを待っています。行きますか」
塩山の小高い丘に、荻原社長が営むワインの路地店があった。
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「初めまして」。挨拶させてもらうと、イケメンの荻原社長が顔を出した。
「話は聞いてるよ。僕もナショナルジオグラフィックが大好きでね」と、最初からジャブを打たれた。公には書けないが、僕が日本のブドウに思っていたネガティブな印象を伝えると「俺もそう思う。ガラパゴス化してるのは、携帯電話だけでなくブドウもだよ」と優しい瞳で答えてくれた。
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「だから、俺たちキスヴィンは世界の主流のピノ、シャルドネをワインのメインにしているんだ。あと甲州も特別にして使っているな」
「はい、緑色の甲州、見せて頂きました」
話に花が咲き、南米のチリに住んでいたことを話すと、荻原社長は「ちょっと待ってな」と奥の畑へ。摘んできたのは、小ぶりのブドウだった。
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「これ、何か当ててみろ」
口に入れると、甘すぎるほどの糖が広がった。
「日本で作っているところはまだ無いだろうな。チリで食べたことあるか?」
「もしかして、カルメネールですか?」
「いや、もうひとつの方だ」
「マルベック種?」
「そうだ」
驚いた。常識ではマルベックは日本の四季では作ることが出来ないと言われている。乾燥して、朝霧が出て、夏の強い太陽光によって育まれるのだ。
常識を疑い、類まれなセンスと日々のブドウとの会話、そして愛をかけ続けることで、日本のマルベックがここに誕生した。
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数年後、キスヴィンワイナリーから「日本のマルベックワイン(黒ワイン)」が誕生する。
今日よりも一歩先へ、明日よりもさらに先へ。目指すは世界一のワイナリーだ。
「これ、持ってけ!」
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宝石箱と名付けられたブドウを、荻原社長は手土産に持たしてくれた。帰宅後、僕はその愛の味に震えることになる。
                 ノムラテツヤ拝
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