富士山麓料理2018-10-09 Tue 17:12
![]() 富士山麓の河口湖駅近くに、愛するジビエレストランがある。 一度食べさせてもらい、虜に。今日はA・K社長の2人に是非食べてもらいたくてまゆちゃんのワイナリーから車を飛ばして、やって来た。 「TOYOSHIMA」 ベビーフェイスの豊島シェフが切り盛りする革新的なレストランだ。 「お待ちしておりました」 通された個室は、柔らかなスポットライトが、まあるい泉のように照らされていた。 最初に出されたのは、スレートにのせられた自家製バター。それをパンに塗って頂くと、濃厚なミルクの味に「ウマい!」と思わず叫んでしまう。 2品目は、サンマの塩焼きをイメージしたお刺身、下にはマッシュドポテトが敷かれていた。 ![]() サンマ単体でも美味しいが、ポテトを絡めると、混然一体になる。そのハーモニーを楽しみながら、カルパッチョを頂く。豊島シェフは猟師でもあり、富士山麓でシカを撃ち、解体し、至高の料理へ昇華させるカリスマシェフ。星のや富士(星野リゾート)で、メインシェフだったと言えば、その力量は分かるだろう。その鹿のジャーキーと富士桜ポークのベーコン。 ![]() そして3品目の濃厚そうなスープに僕はノックアウトされた。 ![]() 「原料はとうもろこしと塩、そして湧き水だけです」 一口飲んで、僕は確信した。今まで飲んだコーンスープでぶっちぎりの一番。コーンは甘すぎず、濃厚なのに、後味は清涼。これはまさに富士がはぐくんだ湧水が作りあげているのだ。 「野村さん、ここで今日入れて頂いたワインをいきますか?」 ![]() 実はまゆちゃんのところで、幻のピノノワールを購入させてもらい、ここで抜栓、デキャンティングしてもらっていた。ピノノワールの華やかな香りとのギャップ。味はすこぶる濃いピノだった。 ![]() 「こんな濃いピノは飲んだことないですね。やっぱりキスヴィンは変態ですね」と豊島シェフ。皆で笑いながら変態ワインを楽しんだ。 4品目は真っ黒い物体が。 「山梨の竹炭をまぶして揚げています」 カキフライの絶妙な温度加減と、トロリと出てくる海のミルクが衝撃的。 ![]() 5品目はキノコのリゾット。匂いをかぐとポルチーニ茸のよう。 「今日、山で採ってきた香茸(こうたけ)です」 ![]() 味付けは和風。香茸の香りがパルメザンチーズで巻かれた。 ![]() 6品目は低温調理された信玄鳥の胸肉をフォアグラソースで。 ![]() 旨みを逃さず歯を入れると、肉汁が滴った。 ラストはブルーベリーソースがかかったブランマンジェ。それらに山梨県産の桃、プラム、シャインマスカットで〆。 一貫して、山梨の食材、富士の食材で攻める姿に、僕はひとつの想いが湧いた。 ![]() 現在、世界4位に輝くレストランが南米ペルーのリマにある。名はセントラル。ペルー人シェフのVirgilio Martinez(ビルヒリオ・マルティネス)は、去年、世界ナンバーワンシェフの称号を得た。 セントラルのメニューは、バーティカル。17品くらい出てくるが、上は4000mで採れたキヌアから、3500mのクシューロ、3000mのジャガイモ、2500mのトウモロコシ・・・そして0mはアマゾンの魚から最も下は-1000mの深海魚まで。標高差で、ペルーという国を表現しているのだ。 だったら、TOYOSHIMAでは、日本の中心に聳える富士山麓でそれをしたら、どんなに素敵だろう。3000m以上は難しいとしても、2200mのキノコから始まり、1000mのコーン、そして0mの魚たち。あっ、山梨は海が無いか・・・。 「野村さん、僕、静岡の清水出身なので、海の方も仕入れは万全です」 素晴らしい。なら0mのサンマ、深海魚も手に入れられる。山梨県と静岡県が握手をして、富士山麓の恵みをTOYOSHIMAで頂く。 もしかしたら、あと数年後、このジビエレストランがミシュラン三ツ星を取得し、入れなくなってしまうのかも・・・。そんなイメージすら湧いた。 でも、せっかくやるのなら、富士山麓で勝負して、世界中から人が押し寄せる地球屈指の店を目指して欲しい。 豊島くんなら必ず出来る。また食べにいきますね! ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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