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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

戦友

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戦友と呼べる男がいる。
僕がまだ20代の頃、南米を一年かけて回っていた。
チリ北部の港町アリカの安宿に泊まっていたときのこと。
朝食を食べていると、宿の主人が話しかけてきた。
「どこからやって来た?」
「日本から。南米を旅して8ケ月目です」
「あれっ、昨夜、もう一人日本人がやって来たぞ。あぁ、彼だ」
そこには、静かに朝食を食べる男性がいた。
「折角日本人同士なんだから紹介するよ」
あの時の主人のおせっかいを、僕は心から感謝している。
お互い、日本人宿とか、日本人だからとつるむのは大嫌い。もしつるみたいなら、日本国内ですればいい。折角海外に出てきているんだから、現地民と出来るだけ時間を重ねたい。二人ともそんなスタンスで旅を続けていた。
テーブルを挟んで話してみると、少しずつ似通った点を見つけ、あっという間に意気投合。その日の予定はすべて飛ばし、近くの酒屋で安ワインをしこたま買って、宿のパティオで夜まで飲んで、話した。
名前は高野っち。広告代理店に勤めていたが、世界を見たいと退職。その途上での出会いだった。まだ若い僕たちは、互いの夢を語り合い、いつか一緒に仕事が出来たら素敵だねと握手して別れた。
帰国してからも幾度か逢い、「俺、あの旅で哲也と会って色々考えた。もう一度会社に戻って、違う角度から働いてみるわ」と、広告会社大手のアサツー ディ・ケイに出戻った。
地球を旅したからこその働きは、すぐに評価され、クリエイティブ・ディレクターに就任。マスメディアとデジタル、双方の領域を横断するコミュニケーションプランニングを手掛け、様々な国際映画祭の評議員もつとめる。
帰国してからは、中公新書シリーズ「パタゴニアを行く」、「世界の四大花園を行く」、「イースター島を行く」の三冊で、多大なアドバイスを貰ってきた。物事を冷静沈着に、抑制を効かせることが得意な高野っちは、突っ走りすぎる僕にとって、無くてならぬ戦友だった。
来年出す新作本を書き始めるも、いまいち乗らない。その理由は分かっていた。エピソードや知られていない蘊蓄は沢山ある。でもそれをどのラインに乗せて、どの出口へ向かわせるのかが見えないのだ。
高野っちにお願いして、彼の働く、虎ノ門ヒルズへ。
3年ぶりに逢い、素敵なドラえもんルームで話し合った。
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ピンク色の「どこでもドア」から入り、
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壁には大きなドラえもん。引き出しを開けると「タイムマシン」が現れ、
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懐かしの「暗記パン」などがマグネット化されていた。
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大人の遊び心を満喫させてもらってから本題へ。
まず、僕のやりたいイメージを聞いてから、ホワイトボートを使ってキーワードを書き出し、それらを俯瞰する。再度あーでもない、こーでもないって話していくと、徐々に思考が整理されていく。そして出口を探すよりも、まず自分が今、しなくてはならないことが見えてくる。出口を一気に求めるのではなく、その前の段階をコツコツと積み重ねないと、この本は出来上がっていかない。
こんな風に自分の鏡になってくれる人がいる幸せを思う。あの時、あの場所で逢わなければ、この時間は間違いなく存在しないのだ。
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誰でも、どんな場所でも、「出逢い」とは必然の一期一会。
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まずは、やるべきことを粛々と。一歩一歩、進めます。
             ノムラテツヤ拝
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