奇跡の一枚2019-05-24 Fri 07:33
![]() 3年前から狙い続けている光景があった。 暦を綿密に計算し、一年のうち2日だけしか現れない天の川のアーチ。180度以上にわたるその巨大な橋をどうやって撮るのか? 最初は苦心させられたが、一つのテクニックを使うことで撮れる目途がついた。でも、机上の理論と現実は違う。眼には見えないウユニ村の小さな光や天候、気温、風の加減などに苦しめられることになる。 僕たち写真家は絵描きのようなもの。カメラという純白のキャンバスに、レンズという最善の筆で内面のイメージを爆発させていく。そしてプロとは、自然が完璧に微笑む瞬間に、その場に立ち続ける人のことを言う。 「そんな写真、あそこに行けば、誰でも撮れるよ」 そんな風に言うカメラマンは問題外。口ではなく写真で勝負をするのが、写真家の使命なのだから。 僕が狙い続けたイメージは、「“初日の出”に“天の川”が橋を架ける一瞬」。 2年前に撮影したものは、写真としては悪くないが、危うさが目立った。去年は流れ星が天頂に流れたことで、天の川自体は満足いくものとなった。 ![]() でも日の出が醸し出す色合いと天の川の融合が、どうしても納得できなかった。理由は気温(色温度)。この問題を踏まえて、今年は一人だけで夜中の塩湖に立ち、温度の管理をした。一枚、また一枚。自分も風景の一部として入る。そして30分後。ようやく僕が3年前にイメージした光景が液晶に浮かび上がった。黄金の朝日の上に、巨大な天の川が奇跡の橋を架けた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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