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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

黄油蟹の味

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僕の大好物は、昔から変わらない。
納豆、鰻、蟹だ。
世界中で、様々な蟹を食べてきたが、目の前にある黄油蟹は世界一のひとつだ。
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香港、それも北へ1時間行った流浮山周辺でしか取れない幻の蟹。真夏の浜は熱せられたフライパン状態。そこに卵を抱えた雌の蟹がやって来ると、あまりの熱さのために、卵自体が溶け始め、膨張し、体中から泡としてあふれ出す。その時を狙って漁師たちは捕獲し、それらを食べるというわけ。なので、黄油蟹の雄は食べず、卵を持つ雌だけが食卓に上がるのだ。
今年は時期もずれて、蟹の数も少ないと言われていたが、何としても食べたいと現地の友に頼んで、奇跡の6杯を揃えてもらった。20分後、蒸されて出てくると、美味そうな純白の湯気が立ち昇り、ほのかな甘みが含まれた。
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味はまず最初に清流の藻のような青さが押し寄せ、口内が肉の旨みで溢れ、最後にほんのりと苦みが続いた。
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爪の先まで卵が詰まり、蟹味噌みたいにしっとりとマットな食感。DSC02404.jpg

油っぽさは無く、それらが旨みをコーティングしている。そう、まるでマニキュアみたいに。ずっと舐めていたい、無言でしゃぶり続けたい圧倒的な味。冷えてからは、マットな肉が発酵した旨みを纏うように深みが増した。
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どこまで美味いんだ。技ありの香港夏蟹。全身蟹卵の黄油蟹。流浮山の蟹味は、無限の奥深さだった。
食べ終えた後の手の香りも最高。あぁ、匂いよ、消えないで~!
             ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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