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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

鍾乳洞

湿度たっぷりの冷えた風が、体を取り巻く。
昨日のクエラップ遺跡での感動を、まるで静かに鎮めてくれているようだ。
今日は、もう一つの憧れの遺跡に向かう。
チャチャポヤスを最初に知ったきっかけ、そして今も変わらぬその愛しい姿を、ようやくこの目で見るときが来たのだ。
遺跡の名は「カラヒア」。
10年前、断崖絶壁の一枚岩の中に、モアイのような体長2~3mほどの泥で作った人形が、何体か建っている写真を見て、一目惚れした。
調べてみると、人形の中から人骨が発見されたことで、ただの人形ではなくお墓だと分かった。でも、何故こんな人形に入れたのか? 慣習だったから? の一言で片付けるにはあまりにも勿体無い遺跡だった。
どうして?
その疑問を、自分の体を通して、感じてみたかった。
この遺跡から、その意思なるものを、教えてもらいたかった。
それが僕にとって、どんな意味があるのかは分からない。でも、自分のやりたい事、知りたい事、感じたい事を実践してゆく先に、必ず意味を持ってくると思うのだ。
空は雲霧林らしく曇っている。もう少ししたら、昨日のように雲が割れ、一気に上昇してゆくのだろう。
昨日、着いたばかりなのに、遺跡を見て、村を歩き、宿に泊まることで、僕はチャチャポヤスをより身近に感じているのは何故だろう?
見慣れたから? いやきっとそうじゃない。
寝ている間に、この森の自然が、ここの高いエネルギーで包み、抱いてくれたからだろう。チャチャポヤスの気と、僕の気が昨日よりも今日の方が近づいているのだ。
住むということは、泊まるということは、凄いことだと想う。どんどんそのエネルギーを受け、対内から発光してゆく作業なのだから。
チャチャポヤスからルーヤというアマゾンの小さな村までガタピシの道をゆくこと1時間。
山道(c)

アドべ(土)作りの家の前に、袋詰めのジャガイモを背負った牛が歩き、川ではおばちゃんたちが洗濯をしている。ここは、チャチャポヤスの穀物庫。さすがナス科の原産国らしく、オユーコやパパネグロなど日本ではお目にかかれないジャガイモが作られ、現地民に話を聞くと、ジャガイモが30種類、トウモロコシ10種類をこの村だけで作っているらしい。
ここから更に1時間、山道を這うように上がり、ジャガイモ畑の真ん中で車は止められた。
畑の真ん中(c)

「CAVERNA DE QUIOCTA」と一枚の看板がある。
キオクタ洞窟とでもなるのか。
運転手から長靴を渡され、訳の分からぬまま履く。
今日はカラヒアだけに行くと思っていたら、その前に、少しだけ洞窟に寄るというのだ。
菜の花(c)

全ては流れのままに・・・・
周りにはジャガイモの花や、菜の花が咲きほこり、畑をどんどん下ると、大きなススキが生い茂っていた。
大ススキ(c)

ススキの道を更に降りるとクエラップ遺跡で沢山見た円柱の家が見えてきた。ここが入口らしいが、洞窟の形状を見ると、それは鍾乳洞だった。
鍾乳洞入口(c)

ガイドが姿を見せ、大きなライトを片手に、鍾乳洞の中へ入る。
あまりに真っ暗なので、慌ててヘッドランプをザックから出した。
足元は泥でぐっちょぐちょ、これは長靴がいるわな、と運転手の気づかいに感謝した。
全部で5つの部屋になっていて、鍾乳洞らしい造形物が見てとれた。
中でも驚いたことが2つ。
一つはコウモリが沢山住んでいるのだけど、その奇声のような鳴き声が洞窟内に響き分かる音の残響音。
もうひとつは、最後のフロアで撮った写真に、沢山のオーブ(たまゆら)が映ったこと。(オーブの写真は近々公開します)
そんなに大きくない鍾乳洞だったので、40分くらいで戻ってきた。
鍾乳洞内部(c)

昼食はルーヤの町でパパワンカーヨと呼ばれるジャガイモのスライスに香辛料とチーズをかけたものを食べ、午後から今日のメインイベントのカラヒア遺跡へ向かう。
                                   ノムラテツヤ拝
パパワンカーヨ(c)
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

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