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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

アマゾンの恵み

雲霧林(c)

2006年、世界の滝(一本滝)の落差順位が入れ替わった。
第一位は押しもおされぬベネズエラのエンジェルフォールズ(979m)、第二位は南アフリカのチュンゲラフォールズ(948m)、そして第三位に新入りのペルーアマゾンのゴクタの瀧(771m)が入ってきたのだ。
今まで地図にも載っていなかった滝がドイツ人探検家によって、雨期にだけ現れる滝として公表され、これを受けペルー政府は100万ソーレス(約3200万円)の予算を組んで、観光地化を目指すことになった。
それが、まさかココだったとは・・・・・。
チャチャポヤスの村から車で1時間半のところに、コカチンバという更に小さな村がある。
ここからゴクタの瀧が見渡せるのだ。滝フェチの僕としては、もちろん行かぬわけにはいかない。
ギアナ高地・エンジェルフォールズ直下まで行って、滝壺が無いことに感動した体験は、僕の生涯の思い出だ。
「ゴクタを見ずして死ねるか」とタクシーをチャーターして向かった。
コカチンバからのゴクタ滝は2段になっていて、雲の中から滝が流れ落ちている。エンジェルフォールズ同様に、滝壺付近は全て飛沫になり、上昇気流に乗り上へ押し上げられていた。
ゴクタの瀧(c)

これが世界第3位の滝かと感慨深く写真を撮らせてもらい、そして村の子供たちにもファインダーを向けた。女の子の姉妹なんて「写真を撮っても良いかな?」と断ってから撮影させてもらうと、大はしゃぎ。スレてなくて何とも可愛かった。
姉妹(c)

もう、チャチャポヤスから夜行バスで、チクラヨへ戻る時間が来ていた。
それにしても、チャチャポヤスでは、アマゾンの気候を存分に楽しませてもらった。
まずアマゾンの恵み・果物から書いていくことにする。
まずトゥシュパというこじんまりしたレストランで出てきたパパイヤジュースにのけぞった。生まれて2度目、もう飲めないと思っていた幻のパパイヤジュースが目の前に現れたのだ。フレッシュ・パパイヤジュースはオレンジ色のドロドロと、相場は決まっている。しかしここのパパイヤジュースは深紅だったのだ。初めて見たのがブラジルのアマゾン奥地でのこと。熟れているかの違いではなく、種類の違いによるものだった。パパイヤは5~6種類あると言われているが、アマゾンの奥地にしか無い幻のパパイヤがある。それが深紅パパイヤなのだ。
それで絞った100%ジュース。もう言葉にすることなんか出来ない。
パパイヤジュース(c)

敢えて言葉にするならば、青臭さが全く無く、濃厚で、全てのうま味成分が1点にギュッと詰まっている感じ。かと言って口の中に残るわけではなく、すっと後味は消えるのだ。何度も味の確認をし、脳裏に刻み込んだ。
アマゾンには、オレンジ色のバナナもある。小さな房の中から、オレンジ色のバナナが出てくる様は、ちょっと異様に見える。けれど味は、これまたパパイヤ同様濃いのだ。バナナってこんなに美味しいものか?と自問自答してしまうほど美味。
う~ん、こうなってくると、いつも通りやってしまう。独断と偏見で、ノムラテツヤ好きな果物ランキングを公表しよう。
果物といっても日本で食べることのできる和の果物と、トロピックな洋の果物に分けさせてもらう。
まず和から。
1位はサクランボ、2位は桃、3位は梨
場所も指定して良いのなら、サクランボはチリのタルカ産、桃は飛騨の青木さん、梨は山の上のもの。
洋の果物は激戦だ。
1位はピタハヤ、2位はマンゴスチンかライチかロンガン、3位は熟れたドリアン、マンゴー、チリモヤのどれか。
2位の3つは食べた人は分かると思うが、全部味が似通っている。違うのは感触と後味だろう。3位は決めかねる。でも、1位は9年前から、ずっと変わらず“ピタハヤ(ドラゴンフルーツに似ている)”だった。そのピタハヤも色々な種類があり、阪根ひろちゃん曰く「てっちゃんのいつも食べてるピタハヤは皮が黄色だろ?でも一番美味しいのはピタハヤの皮がオレンジ色なんだ」。
その言葉を胸に、チャチャポヤスのマーケットでピタハヤを探しに熱中した。
アマゾン地帯、それも雨季なので、可能性としては、あるかもしれないのだ。
メルカド(市場)には、沢山の果物が並べられていた。
そこにピタハヤ発見。おばちゃんに「オレンジ色の皮をしたピタハヤなんて無いよね?」と告げると、中からごそごそと出してくる。
「これのこと?」
きゃぁぁぁ、あった、あった。それもこんな簡単に。
オレンジ色のピタハヤ発見(c)

見事に皮がオレンジ色のピタハヤだった。ナイフで早速半分に切ってみると、驚くのはその色。
通常のピタハヤは中が半透明のゼリー状、触感はキウイみたい。そこにゴマのようの黒い小さな種がある。それをスプーンで掬って食べるのだけれど、このアマゾンピタハヤは中がショッキングピンクだった。
ピタハヤ種類(c)

グロイなぁ~と思いながら、食べてみると、黄色のものと比べて、よりライチの味が濃いのだ。
つまり、僕の大好きな第1位のピタハヤと第二位のライチが合わさったような味なのだ。
きょ~れつぅ~
深紅ピタハヤ(c)

アマゾンは幸豊かな場所。赤いパパイヤ、赤いバナナ、そして赤いピタハヤに感動させてもらった。
そして時間に追われるように、僕はザックを背負って、チャチャポヤスのバスターミナルに向かった。
夜7時30分発の夜行バスに乗るのだけれど、6時45分に着いてしまった。
ぼんやり外を眺めていると、バスターミナルの光に誘われてか、昆虫が飛んできて、壁に激突するのが見えた。まさか、と思い駆けよってみると、大きなカブトムシのメス。
それも背の色は、かなり渋い色。まさか、これってヘラクレスのメスじゃないよな?
姿は似ているけれど・・・・。
ヘラクレス雌?(c)

一応撮影していたら、またもう一匹が光に誘われて激突。5分間の間で、合計5匹のカブトムシのメスが、激突した。なんて豊潤な大地なんだろう? 持ち上げると、すごい力で引きはがそうとする。
ますますヘラクレスっぽい。もしもこれがヘラクレスだったら、一体いくらの値がつくんだ?
僕は一匹ずつ持ち上げ、近くの草むらに離した。やっぱり、生まれたところで生きるのが、一番良いことだと思うから。
午後7時半、海岸の町・チクラヨへ向かうために、バスは定刻通り出発した。
チャチャポヤス。この雲霧林の大地は、最高のインパクトを与えてくれた。
ありがとう、チャチャポヤス。また戻ってきますね。
                                    ノムラテツヤ拝
ピタハヤ写真(c)
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テーマ:食べ物の写真 - ジャンル:写真

ペルー | コメント:2 | トラックバック:0 |
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コメント

こんにちは~!
いつも、ありがとうございます。
ありがとうございます。

おいしそう~!食べたくなりました!!!
くだものってその土地の恵みをたくさん、たくさん受けていますよね。

あれっ。滝もステキだったのですけど…。

メルカルドのおばさまも、とっても良い感じ。
女の子達もかわいいな~。

野村さんのブログは、みているだけで、まるで
自分もその近くにいるような、
においと景色がせまってくるような、
とっても気持ち良い時間です。

ありがとうございます。
引き続き良いたびをなさってくださいね。
良い一日でありますように。
2009-02-26 Thu 01:50 | URL | Olivia Candle Sunshine [ 編集 ]
有難うございます。
匂いと景色が迫ってくる。この言葉に感謝の念が湧きあがります。これからも顔晴ります。
2009-02-26 Thu 07:38 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]

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