カックウ2020-09-30 Wed 17:56
![]() 1975年の夏、農作業をしていた地元の主婦によって、中が空洞に作られた中空土偶が発見された。南茅部町の中空土偶から、「茅空(カックウ)」の愛称でも親しまれる、北海道初の国宝だ。著保内野遺跡から発掘された実物は41.5cmと大柄で、3500年前(縄文後期)に作られたという。 ![]() カックウ(土偶)は土器と違い、破壊されるために作られたもの。壊すことによって「死と再生」のイメージから永遠性に転化させる縄文思想の象徴、つまり日本の霊性の原点とも言うべき存在だ。間近で見ると、頭から足先まで細やかな幾何学模様、縄文模様が散りばめられ、とても壊すために作られたとは思えないが、CTスキャンをかけると土の厚さを変えることで壊れる箇所と壊れない箇所を見事に調節していることが分かった。 今にも歩きだしそうなカックウ。国宝なのにも関わらず、周りには誰もいない。僕は吸い寄せられるように近づき、この肉体に込められた想いを感じた。これも足形付土板同様、まだ生きているような生々しさがある。久しぶりに、心から惚れた像に出会った。その名もカックウ。人生で必ず見るべき世界の至宝です。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
コメント |
コメントの投稿 |
|
トラックバック |
| ホーム |
|