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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ワインの底力

ワイン。
世界中に数えきれないほどあるワイン。
一番最初にワインと出逢ったのは、僕が小学生のときだった。
おとうが「てつや、これ、美味しい飲み物でワインって言うんだ」と教えてくれた。
名前は忘れもしない「マドンナ」。
ドイツのレイトハーベストワイン、またはリースリングのような甘めのワインだった。
甘党のおとうは、それを一口飲んで、幸せそうに眼を細めた。
高校生になると、一口、二口と試飲してみる機会が持てるようになる。マドンナの口当たりの良さに、僕のワイン人生は、白から始めることとなった。
大学生になっても、最初の頃はマドンナばかり。やはり習慣というのは恐ろしい。
酒屋さんに、ワインは沢山ある。けれど何が何だか分からないから、やっぱり知ってるマドンナを手に取ってしまうのだ。
そんな僕に、ワインを飲ませてくれたのが「チリ」という愛すべき国だった。
今は有名になったチリワインも、十数年前は、まだマイナーな国だった。
チリ産のワインは、ストレートが主だった。
ストレートとはブレンドされてないもの。
ウィスキーのモルトで言えば、シングルモルトにあたる。
赤ワインならカベルネソービニオン、シラー、メルロー、カルメネール。
アルゼンチンはそれに加え、ピノノワール、マルベックなどが有名だ。
最初は手当たり次第飲んでみる。カベルネならカベルネだけ、シラーならシラーだけ。
すると、味の基本となる幹が、舌で分かってくるようになる。
カベルネの味、シラーの味、メルローの味など。
そして、チリやアルゼンチンワインにのめり込みつつ、世界中のワインも少しずつ手を広げていった。アメリカのカルフォルニアワイン、オーストラリア、ニュージーランドのオセアニアワイン、フランス、イタリア、スペインなどのヨーロッパワイン、イスラエルのヤーデン始めフルボディのワインなど。
そして忘れてならないのは、南アフリカだろう。
日本にチリワイン、アルゼンチンワインが輸入されると、あっという間にワイン業界を席巻した。
安く美味い。これが両国についたイメージだった。
とくにチリのカベルネ、略してチリカベは美味い・・・・と。
確かに美味しかった、そしてチリ国内で飲む場合は更に酸化防止剤が入ってないため二日酔いが無いという利点があった。しかし、ここ2~3年で、そのイメージが僕の中で覆されつつある。
チリの忘れ去られていた白ワインが、圧倒的に美味しくなってきているのだ。
白はシャルドネとソービニオンブラン(シャブリ)に大きく分けられているが、ソービニオンブラン種に、この頃惹かれる自分がいる。
この種は辛口が多いため、一般的に海鮮ものと一緒に食べると更に美味しくなると言われている。例えばカキ。これはシャルドネで合わせても口の中が甘ったるくなってしまってペケ。対して辛口のソービニオンブランだと、口の中が綺麗に洗われる形になる。そして食欲が増す。
焼肉のときに、日本酒を飲むか、ビールを飲むか、それくらいの差がある。
そして、ついに、チリで今現在ナンバーワンのソービニオンブランの白ワインを見つけた。
残念ながらまだ日本の大手企業は輸入に手を出していないが、チリ南部、アントニオバレーで作られている『カサ マリン』というワイナリーが、かなり熱い。
興味のある方は以下のホームページをどうぞ。
www.casamarin.cl
太平洋からたった4キロだけ内陸に入ったアントニオバレーで、家族経営で大切に作られているワイン。緑色のボトルに、シンプルな文字が浮かぶ。
「CASA MARIN」
ソービニオンブラン種は2種類あるが、カルタヘナではない、アッパークラスの添付写真のものを選ぶ。最近流行りのスクリューカップを回すと、中からシュッとガスが抜ける。注ぐと、シャンパンのように気泡が浮かびあがり、部屋中にマスカットの香りが立ち込める。
やはりこれが、ソービニオンブラン種の醍醐味だろう。
風景は薄いグリーンな感じ。
グラスを左回転させて、匂いをさらに立ち上げて、嗅ぐ。グリーンマスカットと、微かに甘い香りがする。口を付けて、舌にうえでコロコロと回してみると、最初の味はやはりマスカット。そして次に押し
寄せる波が何とピーチ、桃の香りが鼻から抜け、そして最後は白コショウのような少しスパイシーな味。そしてサッと切れる。シャルドネのように、舌にべったり付かないところも、好感がもてた。
ワイングラス一杯を飲みきる頃には、僕は太鼓判を押していた。
今まで飲んだ白ワインの中で一番美味しいかも。
フランス、スペインの高価な白ワイン。
ニュージーランドの勢いある白ワイン。
南アフリカのブレンド白ワイン。
どれも美味しいけれど、カサマリンの美味さは、完全に突き抜けていた。
この味で、この値段か?
19000チリペソ。
ドルに直すと30ドル、日本円では2700円ぽっきりだ。
多分この味のレベルをヨーロッパに求めると、軽く200ドルは下らないだろう。
それほどの味が、チリのアントニオバレーで生産されているのだ。
調べてみると、やはり2006年にはワイン&スピリット部門で白ワインの最高点の95ポイントをマークしていた。
これからこのワイナリーは、確実に世界各国の賞を総なめしてゆくのだろう。
あと数年後には一本100ドルとか200ドルの値段がついてしまうのが悲しいが今、このワインを見つけられた幸福に感謝せずにはいられなかった。
世界最高の白ワインが、チリにある。
小さな輸入業者が、日本へも入れているので、もしも縁のある方は飲んでみて下さいね。
ソービニオンブラン種は、赤ワインと違い、年代が新しければ新しいほど美味ですから。
今、目の前にカサマリンが。
今日も、マスカットの香りが部屋中に炸裂する。
                                  ノムラテツヤ拝 

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