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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

絶景世界31

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「幸せって、一体何だろう?」
ブータンはGNP(国民総生産)ならぬGNH(国民総幸福)という概念で一躍時の国に躍り出た。この幸福思考は先代国王(四代目)の着想だと思われがちだが、実は四代目のお父さんである三代目国王の遺言だったという。
国民総生産よりも、自国の人々が幸福だと感じられる世界へ。そのために行なわれたものが、国からの幸福質問状。その数は156問ほどある。親の名前、自分の宗派、学問のための設備について、時間の使い方について、木に仏さまが住んでいるか、同様に水にも仏さまが住んでいることを感じられるか?など156問の質問が明記され、これらを全国民の27分の1の人の割合で、コンピューターが無作為で選択する。役人たちが選択者を探し、全員に答えてもらうことで、その年のGNH委員会は役目を終える。
僕は、今までブータンの話を聞かせてもらう度、行ってきた人たちの貴重な体験談を聴くたびに、一つのイメージが浮かんだ。
『誰に聞いても幸せと言う。その理由が判を押したように皆同じ』。
こんな意見を聴くと、嫌でも疑いたくなる。
「つまりブータンとは、情報統制された“幸せ教”なのではないか?」
今回、現地の人々に聴き取りをし、そして僧侶の話を聞かせてもらって、僕は大きな勘違いをしていたことに気付かされた。
「ガキーペルゾン」。意味は現地のゾンカ語で、「希望を見る心」。つまり「Happiness」だ。驚くべきことに、この言葉が出来たのはつい最近のことだという。それもGNHという思想が世に広まってからだというから、ブータンには幸せという言葉自体がそもそも無かったのだ。この国は敬虔な仏教国。もし今が悪くても、後世に良くなるように祈る。だから「不幸せ」という概念自体が存在しない。
ある僧侶が言う。「不幸せとは、すなわち自分のことを自分で信じていないこと。だからこそ、幼少の内から時間の概念を丁寧に教えます。まず重要なのは24時間の時間の使い方。8時間働く、8時間睡眠、そして8時間家族と過ごすようにする。幸せとは自分ではなく、周りを喜ばせることだと刷り込みます。国がやることは、どうすると国民が幸せになるのか?市井の人々から聞き取ったものを実行に移す。例えば教育費や医療費の無料化など・・・」
「田舎の人たちは、言わなくても分かっている。でもGNHはその価値観が薄れゆく町の人たちのため、そしてその子供たちのために作られたというのが真意なのです」
GNHの価値観は、遥か昔から、ブータンに息づいている根幹だったのだ。ブータンが世界にしたこと。それは幸せな国を全面に出して目立つことではなく、世の中には、こんなに穏やかに生きる術がありますよ。もし良ければ皆さんも私たちと一緒に学んでみませんか?という世界への問いかけだったのだ。
ノムラテツヤ拝
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