fc2ブログ

写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

絶景世界45

045_2021051707503148e.jpg

究極の花園が、南アフリカの西部に存在する。
毎年8月中旬~9月上旬にかけて、花々は「いのちのバトン」を繋ぐように咲き誇り、ピークを迎える。その中心地となるのが「ナマクワ国立公園」。10年前にここを訪れた時、僕は信じられないような体験をした。
園内には数十万、数百万と言われるナマクワランド・デイジーの大群落が広がり、それらが太陽を照り返しで発光しているように見えた。僕は、花園を見渡せる丘までよろめくように登り、その場へしゃがみ込むと、今度は360度全方位から、膨大な花の輝きが迫ってきた。それはまるで蛍光オレンジのライトに焼き付けられたかのようで、徐々に頭がクラクラしてきた。
「花酔い」
国立公園のレンジャー・ファンから聞く、初めて聞く言葉だった。
「一度でも花の光に当たってしまうと、この地へ必ず戻って来てしまうと言われている。生涯続くから覚悟しておけよ!」
彼の言う通り、僕はあれから毎年、この花園に通い続けている。
今年も色とりどりの花が、見渡す限りナマクワ国立公園を埋め尽くしている。まるで冬に降った雨粒が、すべて花に変えられてしまったかのようだ。
風という絵筆で、大地に輪郭を描く。
太陽光の強弱で、色彩を選ぶ。
土壌にしみわたった雨の水分で濃淡を作り上げる。
大自然という神々が、大地をキャンパスに見立て、究極の花園を描き上げた。
ノムラテツヤ拝
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

絶景世界 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<CTスキャン | ホーム | サイエンス掲載>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |