絶景世界852021-06-26 Sat 07:47
![]() フランドル地方の水の都「ブルージュ(Brugge)」。 Bruggeとは、橋を意味し、縦横に流れる運河に、50以上の美しき橋が架けられている。 イタリアのヴェネチアと比較されることが多いが、あちらはアドリア海の女王。対して、こちらは15世紀から都市の機能を失った中世の都。まるでその時から時の流れを拒んでいるかのような佇まいに、作家のローデンバックは「死の都」と呼んだ。 車も通らず、路地裏からは憂いとエロティックさが漂う様は、まさに理想的。夕、夜、朝と僕は迷路のような街を歩き回り、いくつかのポイントで重点的に撮影した。初日は無風だったため、鏡のような凪いだ世界が広がったが、翌日は朝からずっと強風の雨。夜になって僅かに止んだ隙に目的の橋へ向かった。雲が低く垂れこめ、町の明かりを吸って赤く染まっている。風によってさざ波がたっていたが、そこに自身の描きたい絵が見えてきた。写真家の絵筆でもあるカメラとレンズを選択して一枚、また一枚。最終夜、ようやく僕の介在しない、生のブルージュが浮かび上がった。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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