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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

富士一のシェフ

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フランスのグルメ雑誌ミシュランは、誰もが知っているが、その双璧でゴエミヨというグルメ雑誌をご存じだろうか?
店やサービスを重視するミシュラン、それに対しこの本はシェフの力量だけにフォーカスしているのだ。
そこに去年、レストランTが三ツ星を獲得したという。
「Tくん、良かったねぇ」
「有難うございます」
「でも、僕のメニューは考えておいてね」
「はい、今年の秋からやるつもりです」
そう、僕はTくんだからこそ出来る料理を求めた。それは静岡出身のTくんが、山梨に興味を持って移り住み、農業だけでなく、狩猟も始めた。
それだったら、富士山の1500m台で獲れる山菜やキノコから、1000mのコーンや鹿やイノシシ、500mのジャガイモや卵、0mの海の魚たちへと標高を落としながら1つのコースを作ったらどうだろうと打診していたのだ。
「良いね、ならまた秋以降に来るよ」
次に出てきたのは、鶏肉が乗った麺料理。
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「冷やし中華を分解して、吉田うどん風に作りかえてみました」
笑ったなぁ。トマト、温玉、鶏肉、吉田うどん並みに硬い小麦粉で打った細麺、キュウリのきんぴら、そして韓国香辛料のニャムニョンを混ぜて、冷やし中華と同じ具材でまったく違う逸品に変えてしまうのだ。
「やっぱり、今日のテーマは夏だね」
「はい!!!」
静岡焼津にある日本酒の名蔵「磯自慢」で作ったグラニテ、それを錫のおちょこで出すあたりも心憎い。
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「これが今日のメインです。野村さんのために最高の状態で仕入れました」
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キノコ、ホウレンソウ、パイ生地で包まれた鹿肉のジビエ。火入れも完璧で、フレッシュで肉汁の美味さに悶絶した。
「これは手をくわえているから、ジビエを超えているよ」
「はい、ぼくは美ジビエと呼んでいます」
「せっかくだからフジビエにすれば」
「いただきます」
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デザートは3Kプリン。クロモジ、黒豆、くろみつ。まるで信玄餅をプリンにした感じで、仄かにアールグレイの香りがするのは、爪楊枝に使うクロモジだと言う。
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桃のコンポートとほうじ茶アイスで〆。
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今日も完璧、Tくん、あなたは必ずミシュランでも星を取りますよ。今、僕が最も期待しているシェフの一人が、富士で腕を振るっている。
              ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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