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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

絶景世界128

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まだ夕日には早い、かといって順光には遅い時間。
こんな時写真撮影ではしばしの休憩時間となるが、動画はここが大切な時。まだ明るくて、狭間のような時間から積み重ねて撮ることによっドラマティックな動画が完成する。
カウベルの音が響き、30分毎に教会の鐘が鳴る。トラクターの音や、遠くから間伐音が聞こえてくる。こんな時間が好き。一見何も生み出すことのない静かな時間。でも、それらが生きる上でとても大切なことを知っている。
自分の心を元の位置へ、ニュートラルに戻すのだ。ボーっとただ風景を見ているだけで良い。力を抜いて、寝転んで、流れる雲を見つめれば良い。体は力みの抜けた時に、元へ戻してくれる。そして心をも中立にしてくれる。ゆっくり、ゆっくりと。
今日は初日のガイズラーとは違い、穏やかな夕日になりそうだ。
19時30分、教会の鐘が鳴る。
鈴虫やコオロギの声が草むらから聴こえてくる。深呼吸すると、空気の甘いこと。腰を下ろした大地の柔らかいこと。そんなことを体感し始めたら、もう中立。元へ戻ってきている証拠だ。
さっきまでの光はより神々しく瞳に映るだろう。自然も刻々と変わっていくが、僕たちもまた凄いスピードで変化することが出来る。体にまず「できる」と言ってあげること。そうすれば体の色々なスイッチがオンになる。制限という幻想は消え、可能性だけが目の前に現れる。
自分は何がしたいのか? それが目の前にきっと浮かんでくるだろう。
掴め。後はその夢というエネルギーを掴むだけ。どんどん、ガイズラー山群が黄金に染まっていく。やがて陽は落ちて、青の時間が。そして藍色の世界に、天の川が音も無く橋を架けた。
ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

絶景世界 | コメント:1 | トラックバック:0 |
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コメント

陰影と遠近が素晴らしいと思います。
仕上がりを考慮して撮影地点に辿り着くまでも大変だったと思います。
2021-08-08 Sun 09:21 | URL | [ 編集 ]

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