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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

絶景世界162

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コロンビアのサンタマルタ山塊にいる。
「アンチカ(こんにちは)」
ガイドのレイがコギ族の言葉で挨拶する。僕を見て一瞬こわばったコギの家族もパッと顔を崩した。レイはサンタ・マルタ山塊のスペシャリストでもあり、彼らと深い親交があった。
コギ族の真っ白い民族衣装が、今日は泥と雨で茶色に染まり、自然の一部として溶け込んでいた。顔立ちはモンゴロイド。どこか自分と似ていて親近感が沸いた。しばらく話し込み、僕は一つ質問をした。「何か欲しいものはありますか?」。家長である男がポツリと語った。
「みんな森にある。必要なものはみんな森の中に。それ以外、欲しいものはない。必要なものと欲しいものの差、これは天と地ほどかけ離れている。でも最後に残るのはどちらかな?」
雲の割れ間から日が射し込んできた。みるみる霧は去り、遠く海が浮かんだ。標高0mのカリブ海から5775mのサンクリストバル・コロン山のアンデスまで、直線距離にしてたった50㎞ほど。世界で最も短距離で隆起する場所、それがこの地域だった。
          ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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