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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

無敵の寿司屋

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日本一、いや僕の中では世界一かもしれない。
旭川の町中に、吉元というお寿司やさんがある。
数年前、ここで食べたサバの味が忘れられず、再訪した。
あのときのカマンベールのような鯖。あれから僕は光りものが好きになった。
東京で、富山で、名古屋で、大阪で、名のある寿司やから漁港の寿司や、色々食べてはいるけれど、ここのサバよりも美味しいところは無かった。
あの時の舌が狂っていたのか? 味を美化しすぎなのか、その確かめもあって、吉元さんの戸を引いた。
「あれっ」
大将がキョトンとしている。
「前に一度来させてもらって」
「やっぱり、どこかで見たよなぁ~って思って」
数年前に一度来ただけなのに、顔を覚えているなんて、やっぱりプロだわ。
吉田誠さん。大将の名前だ。
大将は常元という割烹料理屋で修業し、自分のお店を出す時には元の字をもらって吉元とした。
「今日はお勧めがシャコでねぇ~」
ニッコリ笑う大将を見て、今回もお勧めの物で握ってもらうことにした。当然サバは絡めてもらって(笑)
最初に出されたのはお通しで、クジラのベーコン。
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あんまり食べたことは無いけれど、これは酒の肴にぴったり。
そして白身の鯛やら、生ホッケ、ボタンエビ、シャコ、ウニ、イクラ、大トロ、サバの8貫が並んだ。
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鯛から行くが、もう震えるほど美味い。
ボタンエビも濃厚極まりない。
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ウニは赤ウニで、脳天に付き抜ける味だ。
あまりに感動していたからだろうか。大将は小瓶を持ってきて一言。
「これが最高でね、ウニはやっぱり増毛産だよ」
と、佐藤商店のヴィーナスのしずくを使っているんだと教えてくれる。それって企業秘密なんじゃないの? と突っ込みたくなるけれど、あまりに嬉しそうに説明してくれるので、こちらもどんどん幸せになってしまう。
そして問題のサバに。
一口食べて、やっぱり・・・・・と脱力した。想像通り、やっぱりカマンベールのようなクリーミーさ。
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大将曰く、締め方の問題なんだという。
「オレは握る技術がないから、締める方で何とかしないと」と何とも憎い事を。
ここのサバ、やっぱり日本一だと思う。
そして、ゆでたてのシャコ。
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握りを見ると、シャコの雄と雌の2匹が一貫に乗っている。もちろんメスは子持ちだ。
食べて、涙が溢れ、頬に流れ落ちた。
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今まで食べていたシャコが、全部偽物だったんじゃないかと思える味。
シャコが何十匹もギュギュッと集まって、凝縮されたような味。そして食感は、かずのこのようなシャリンシャリンなのだ。
間違いなく、僕の中でシャコ&サバのナンバーワンの店、それが吉元だった。
「大将、長く続けて下さいね」
「オレも年だからね、70を越えると、あっち痛い、こっち痛いってなってね。でも顔晴るよ」
最後に、大将と女将のツーショット写真を撮らせてもらう。
最近では最もお気に入りの一枚となった。
大将、皆さんの笑顔のために、一日でも長く続けて下さい。
僕もまた、食べにいきます。
                           ノムラテツヤ拝
ご夫婦
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テーマ:食べ物の写真 - ジャンル:写真

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