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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

新世界写真94

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アラスカ、カナダ、ニュージーランド、ペルー、チリ、アルゼンチン。
今まで数多くの氷河と対峙してきた。最も蒼き氷河は、やはりチリ・アルゼンチンにまたがるパタゴニア。でも、アイスランドにそれらを凌駕する氷河があるという。早速出かけてみると、確かに今まで体験したことのない色の世界が広がっていた。
雪が圧縮されることで氷になる。その時に酸素がどんどん押し出され10%以下の酸素量になった氷、これが氷河だ。でもそれらが更に研ぎ澄まされていくと、蒼いクリスタルになる。アイスランドの氷河の末端でもある氷舌に、ぽっかりと空く黒い穴。アイゼンを付けて入っていくと、思わずうめいてしまった。青いクリスタルのような巨大なトンネル。それらが外からの光を受けて、まさにグランブルーに光り輝いているのだ。
「どうして氷河が青いか知っているかい?」
ガイドが聴くので、それらに答えると「確かにそれも一理ある。でもアイスランドでは、氷河は太陽の七色の光を封じ込める唯一のものと考えられている。だから氷河の端をアックス(つるはし)で割ると、屈折して七色に光り輝くんだ。その中の最も高貴な色、青色が僕たちを祝福するために届けられているのさ」
素敵な、すてきな話だった。圧倒的な蒼きトンネルがアイスランドにある。翌日も出掛けたが、この日は大雨で、洞窟内は3mの洪水となり入ることすら出来なかった。1月に入ってからの入場確率は40%。すべての条件が揃った時にだけ、こんな特別な場所に、人間は招いてもらえるのだ。
            ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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