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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

無くしたもの

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「昨日はどうしてブログを有料にしないかを教えて下さり有難うございました。もう一つだけ質問があるのですが宜しいですか? 野村さんは私が読ませてもらった限り、自由自在に生きているように見えますが、それによって何か失ったものはありますか? また若い時に何か注意していたことはありますか? Kより」
うぐぐ、また22歳の若者からの難しい質問が・・・、若い時には、そんなに注意して生きていませんよ、あっ、今もか・・・、でも、それだと納得はしてもらえませんね。質問の答えになるかどうかは分かりませんが、成りたい自分になるために積み重ねてきたことはあります。何かのきっかけとなればいいのですが・・・。

「好きな時に、好きな場所に、好きなだけ」。これが幼少の頃からずっと思い描いてきた、僕の成りたい大人像だった。
野村家の家訓で10歳から一人旅に出させられ、18歳までには47都道府県全てに足を踏み入れた。大学生になると、自然と視線は世界へ。「男はやっぱアメリカだろ!」と訳の分からぬ妄想と共に、アメリカをぐるりと一周。20歳の時にアラスカで写真の師となる星野道夫氏と出逢い、恋に落ちた。写真家の道を歩む!と決めても、どれだけアラスカにいたい!と願っても、やはり続かないのがお金の問題。家庭教師、競輪場の警備員、ラボの写真屋さんとバイトをしながらコツコツお金を貯めては、また旅ですっからかん。帰国してからはフィルムの現像代すら無かった。
どうすれば、好きな時に、好きな場所に、好きなだけ行ける人生になれるのか? それには、時間もお金も体力もバランス良く保持しなければならないのだ。時間と体力は自身の努力で管理するもの、ではお金はどうだろう?自分がいくらシャカリキに働いたところで、たかだか知れている。そんな時に、僕はパタゴニアの最南端でヤーガン族のおばあちゃんと出逢った。
「嫌いな人っていますか?」
「貯める人よ」
「何を?」
「何でも。食料を貯める人、愛情、勇気、お金、自分のためだけに貯める人を私は軽蔑する」
「なぜ? お金って貯めなきゃ貯まらないでしょ? 愛情だって、貯めなければ寂しくなるでしょ?」
「違う。血が体内を絶えず流れるように、すべてのものは止めちゃいけない。愛情もお金も受け取ったらどんどん外へ流す。絶えず流せば、より大きなものがまた別のところから流れこんでくる。地球が回るように、すべてのものは流転しているのよ」
この出逢いこそが、あの時の僕を間違いなく救ったのだと思う。お金は稼ぐものではなく、流れてくるもの。つまりお金を流してあげたいと思う人を目指せば良いのだと知った。それをシンプルに表すのなら、稼ぐことを目的にするのではなく、人の繋がりや信用を大切にする生き方にシフトすること。目の前に現れてくれた一期一会の相手を、出来る限り大切にする。人の噂話や悪口は決してしない。もし言いたいのなら直接本人に言う。周りが幸せになるために自分が何をすれば良いのかを常に自問自答する。僕たちはこの世を一人だけで生きていくことは出来ない。だったら周りにいてくれる人たちが、世界で一番幸せであって欲しい。
47歳になった今、それらの道は、僕の原点に繋がっていることに気付かされる。
「好きな時に、好きな場所に、好きなだけ」。
そして最近は、人生の先輩方から、「てっちゃんも40代になったんだから、自分の本当に好きなことを、より迫力を持って、スピードを上げて取り組みなさい」と言われている。何もしなければ、何も生まれない。今と同じ場所にい続けるなんて器用なことも出来ない。であれば、僕はどんどん時代の風を掴んで進んでいきたい。
南アフリカのワイナリーのオーナーになる。昔からの夢だった飛行機のパイロット免許を取る。今150カ国渡航しているから、残りの43カ国を訪れて世界193ケ国すべてに足を踏み入れる。そして大好きな場所で、世界中の仲間達と一緒に笑い合える空間と時間を創り上げる。人生とは不思議なもの。見方を変えるだけで、結果が180度変わっていく。その鍵となるのが、「周りの幸せを想うこと」、そして「自身のご機嫌を自分でとること」に尽きるような氣がする。

こんな感じで、少しは何かを感じてもらえたかしら? 若い時は迷うもの、でも、僕らも日々迷ってるんですよ。安心してください、迷いや悩みが全く無い人なんて、この世に1人も存在しませんから。
       ノムラテツヤ拝
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