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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

人生のスタイル

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「野村さん、お久しぶりです。去年親子でディープツアーに参加させてもらったSです。あの旅以降、息子が人生を肯定的に歩み始め、目の前のことに全力に取り組むようになりました。どうして?と理由を聞いても、野村さんに聞いたらと笑って取り合ってくれません。一体あの旅の夜、野村さんはどんなことを息子に語り掛けてくれたのでしょう?」
若者からの質問に答えたら、今度はお母さんから。
う~ん、お酒を呑んで酔っ払っていたので覚えていません(笑)。そして息子さんが言われた通り、同じ言葉を聞いても、現場にいない限り受け取り方が異なるかもしれません。
あの夜とは違いますが、別のたとえ話で良ければ、お伝えします。
何度もディープツアーに参加してくれる年下の女性Yさんがいるのですが、彼女は今日八丈島にいて、午後からホエールウォッチングをします。そこでその前に腹ごしらえと
「野村先生、美味しい島寿司を食べたいので、お店の名前を教えて下さい」とLINEメールが来ました。でも僕はその名を教えずに、こんなやりとりをしました。
「まず自分で考える。それから質問して下さい」
「先生、厳しい・・・」
「だって、なんでも教えてもらったらつまらないし、何より自分の旅にならない。Yさん、自分の感覚を信じなさい」
「また言われてしまった。はーい」
1時間ほどしてから、再度メールを。
「島寿司屋さん、調べましたか?」
「もしかして銀八さんですか?」
「素晴らしい。行ってらっしゃい!」
なんてことのない会話かもしれません。でも、僕にとっては、とても大切なことなのです。誰かに教えてもらったら、それっきり。でもまず自分で調べて、もし分からなければ、初めて質問をする。
「島寿司のお店、AとBで迷っているのですが、どちらがお勧めですか?」と聴けば良い。
旅も同じ。知り合いがあそこが素敵って言ったら、あのカフェに行こう。あの海岸が綺麗と話していたから、わたしも行こう。それでも良いのですが、僕はディープツアーに何度も来ているYさんには、別の道を歩んで欲しいと思っています。
『自分で考え、自分の感覚を信じ、自分の旅を創り上げて欲しい』。
「たかだか、旅じゃないですか?」
誰かにそう笑われるかもしれない。でも、旅こそが人生そのものなのです。自分の旅のスタイルと、今までの人生スタイルは比例します。誰かに旅をすべて任せて来た人は、人生も誰かに任せている人が多い。誰かの追随ばかりしている人は、人生も誰かに似せて満足している人が多いのです。
そうであれば、自分はどんな人生を歩んでいきたいのか? その大きな目標が漠然とで良いので立てられた時から、旅のスタイルを変えていく。旅に出られなくても良い、日々のスタイルを変えていく。その積み重ねこそが、理想の人生に近づいていく最も近道なのです。
お母さん、彼には別の言葉、例え話で伝えたと思いますが、「自分自身で選ぶ人生にするのか、誰かに選んでもらう人生にするのか」を彼自身が決め、日々実行しているのだと思います。
安心して下さい。必ず素敵な漢になりますから。僕も楽しみにしていますね。
           ノムラテツヤ拝
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