fc2ブログ

写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

知床海難事故

DSC06392_20220424090806cf9.jpg

悲しい事件が起こった。
知床の海難事故。現地の漁師に話を聞いたところ、やはり横風が強く波の高い日で、漁師たちは早朝で切り上げたという。
コロナ禍で経営悪化していた知床遊覧がどうして出航を決めたのか、どうして他社よりも一週間も早くツアーを始めたのか、その真意はこの後開かれるであろう会見に委ねるとして、僕の見解を書く。
まず、今回の事故を受けて、人は2つのタイプに分かれる。1つはやっぱり海って怖いわ。ツアーなんてしなくていいのにと切り捨てる派。もうひとつは、どうして起こってしまったのかを考える派だ。自分で考えるという行為が、これほど大切な時代は無い。思考停止に陥ることで人生は、どんどんつまらないものになっていっていくのだから。
この事件が起きたのは、数多くのミスが積み重なったからに他ならない。通常、海上に出る場合は、サポートできるよう必ずもう一艘も出る。それは同時刻に出る他社の船だったりする。もし何か事件が起こった時にすぐに助けられるよう、救助を呼べるように万全を期している。けれど、今回はコロナ禍で経営悪化した知床遊覧が、是が非でも出したのだろう。一艘だけの観光船は、横風と高波に呑まれ、船首を浸水。そのやりとりを無線で聴いていた別の人から第一報の救助要請が入り、船本体からはそれから数十分後に連絡が入った。エンジンが動かないいうことなので、沈む船から離れ、カシュニの滝周辺の岸を目指したことだろう。ただ、滝つぼ付近は上陸可能だが、他の場所は断崖絶壁が屹立しているため、高波と横風だと困難を極めたに違いない。
今、海上を漂っていた3名と、陸に打ち上げられた1名がヘリで救出されたと連絡が入ったが、生存確認はまだ分からない。乗客の方々のいち早くの救助、そして生存をただ祈るしかないが、知床遊覧も会社として会見をまずは開くべき。そうでないと、真面目に今まで積み上げてきた知床の観光船業者の方たちが可愛そうだ。
人は事件が起こると、その周り全体があたかも悪いような錯覚を受けるが、今回の事件は明かな人為的なミスが積み重なっているのだと思う。だから、僕らはまず生存者がいてくれるように手を合わせて祈る。そしてどうしてこうなったのかを会見も含めて、自分自身で考えること。山へ行くこと、海へ出ること、とどのつまり家の外へ出かけることは、少なからずリスクを伴うのだから。
             ノムラテツヤ拝
ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン人気ブログランキングへのクリックをお願い致します!以下のライオンボタンの上でクリックしてみて下さい。吠えます!
人気ブログランキングへ

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

日本 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<つみかさね | ホーム | 新世界写真188>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |