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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

新世界写真190

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日本で最も好きな記念館が境港にある。
「なまけ者になりなさい」
そう言い続けた天才漫画家のミュージアムだ。
年表を見るだけで、吹き出してしまう。
武良茂。
13歳 人の死ぬところが見たいため、幼い弟を海に落とす。
15歳 職人見習い2ケ月でクビ。中村版画社も即クビに。
17歳 農芸大学定員50名、受験者51名、武良だけ不合格。職工、2日でクビ。
19歳 日本大学付属大阪夜間大学に合格。
21際 赤紙が届く。ラバウル島へ。
しげるのニックネームがげげる。そこからあの名作が生まれたのだ。そう、げげげの鬼太郎の作者「水木しげる」さんの記念館。今回で2度目の来館だけれど、最初の時は心底驚いた。
水木しげるさんが数々の妖怪を調べ、または創作していたと思っていたが、見事に裏切られることになる。
近所に住んでいたのんのんばあが幼少期に、妖怪などの話を教えてくれたことも手伝ってか、戦地ラバウルで激闘を繰り広げていたとき、水木さんは左腕を失った。極限状態で森の中を走っていくと、どうしても壁にぶつかってしまう。見上げると、そこにぬりかべが立っていた。つまり創作ではなく、水木さんが極限状態で感じたもの、見たものそのままが「げげげ
の鬼太郎」として描かれたのだ。
衝撃だった。五感が通常よりも研ぎ澄まされれば、幻聴や幻影だって見えるだろう。でも、そうではなく、世界の影となって生きている妖怪の世界が現存しているとしたら、その可能性があることを僕たちに教えてくれていたのだ。
さらに水木さんの冒険旅行ボートに目を奪われる。五大陸はもちろん、世界の秘境をくまなく網羅していた。
斬新なアイデアと移動距離は比例する。そしてひとつの体験を深くやり続けることで、その考えが四方八方へ繋がっていくのだ。
平成27年11月30日 93歳で巨人はこの世を去った。
「なまけ者になりなさい」
その言葉を胸に、米子空港へ向かった。
ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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