新世界写真2142022-05-20 Fri 08:39
![]() 森の中を20分ほど歩くと、階段のような跡が微かに残っていた。 上がってみると、現地民が2人で落ち葉を拾っている。 タヒチの宝である、このマラエ遺跡群の清掃員だった。 ハローと声をかけてみる。 「ボンジュール ムッシュ」 やばっ。フランス語だ。 自分がマラエに興味があることを英語で説明するが、ニコニコ笑っているだけ。 「ここはテ・アナという住居跡だ」とゆっくり話してくれる。 あれ、なんで?フランス語が分かる? 今までボンジュール、サバー、メルシーくらいしか聞き取れない僕が何故? それは、タヒチのフランス語にあった。スペインのスペイン語は流れるように美しい。それに対して南米のスペイン語はちょっと田舎っぽい。それがタヒチにも言えるのだ。ゆっくり話すフランス語は、スペイン語に少しだけ似ている。 思い切って英語からスペイン語に切り替えて話すと、彼は大きく頷いた。 「そうか、ならお前にマラエの意味を教えてやろう」と、ひとつだけ色の違う石をどけると、中には人骨や頭蓋骨の欠片が埋まっていた。 「マラエは墓だ。大切に守られてきた、俺たちの祖先の墓」 ポリネシア全土に渡って、この先祖崇拝文化が残り、各地で呼び名は違っても必ず祭壇(墓)が作られた。マラエ、ヘイアウ、アフ・・・・ 彼からこの先に、「テファノ」という大切なマラエがあることを教えてもらい別れた。 緑の輝く道を登っていく。ブーロと呼ばれる黄色いハイビスカスが足元を彩る。森の甘い香りに包まれながら更に10分ほど行ったところで、僕の足は止まった。目の前に大きなガジュマルの大木が、その下にマラエの石が敷かれていたのだ。 それが「御神木」なのは間違いなかった。 大昔から先祖を見守り、そして祈りの対象になってきた聖なる樹。 結界が張られたような気に一礼し、僕は足を踏み入れた。 一瞬にして鳥肌がたち、僕はそのエネルギーに抱かれることになる。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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