アツモリソウのまごころ2022-06-22 Wed 11:53
![]() 礼文隊が始まってからずっと寒く、天気が悪かった。 最初のスコトン岬も暴風、翌日の稜線歩きも曇り空。隊員からも「てっちゃんのツアーなのに晴れないなんて珍しいね」と言われる始末。 う~ん、どうしてだろう? 僕は自然を100%信じている。だから目の前の天候は、全て僕たちの学びだと確信している。 この寒さから、天候から、そして目の前に見えるはずの利尻岳も雲に隠れる状況から、何を学ばせてもらうかな。 登山後、皆を秘密の花園にお連れすると、雲が割れて晴れ間が。アツモリソウに光が当たり、それはそれは高貴な姿を見せてくれた。夢のような花園時間が終わり、全員を宿へ送り届けたが、僕はどうしても湧き上がる想いを抑えることが出来なかった。 ![]() 夕方、一人だけで秘密の花園へ向かう。空には天使の羽のような雲が広がり、花々は揺れながら待っていれた。 「みんなとっても喜んでくれました。有難うございます」 誰もいない花園で一人、頭を下げた。次の瞬間、強い風が吹き抜け、花々の言葉が聞こえてきた。 「良かった、みんなに美しい姿を見せられて」 ![]() 僕は膝をついて、泣いた。そう、最初にこの花園を訪れた時、花々はピークを迎えていた。でも僕は「どうしても皆が来るまで待って欲しい」と無理難題を一輪ずつに願った。大自然は常に想いを聞き届けてくれる。だからこそ毎日天気は悪く、気温を低くして花のピークを4日間も伸ばしてくれたのだ。実際に花を見る時には、その保冷状態を解き、最高の太陽光が。 「みんな有難うね。本当に有難う」 にじむ花々に手を合わせると、大粒の涙が大地へ浸みた。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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