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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

森の生活

チャチャあくび(c)

セロカスティーヨ山と氷河の蒼さ。これが旅の目的だった。
12日間と旅行期間を設定したのも、天候の悪さや週に一度のクルーズのためだった。が、5日目を過ぎたところで、両方が完遂した事に気付いた。
どうしようか? このまま別のところを見つけて撮影を続けようか?
選択肢が出来た時、僕はいつも一つの事だけを心掛ける。
「どちらが楽しいか、そしてどちらがワクワクするのか?」
もう一つの選択は、森の我が家へ戻ることだった。
実を言うと、1年半過ごしたパタゴニアの移住も、もう少しでフィナーレを迎える。この一年半で、パタゴニアの大地は素敵な風景をこれでもか、これでもかと見せてくれた。今度はその美しい風景を通して、僕が恩返しさせてもらう番なのだろう。
2009年は、写真集やエッセーなど、パタゴニアに関するものを数冊出すことが決まっている。
有難いことに、日本各地で講演にも呼んでもらっている。
“チリにこのままいるか、日本に少しだけ戻るか?”そのどちらがワクワクするのか?
問いの答えは「多くの人にパタゴニアの自然を通して地球の美しさ、身近の美しさを感じてもらえるものを作る方」だった。
だったら、あと2週間、我が家の森で、息吹をしっかり受け止めよう。
4月頭から下旬にかけては南部の撮影が控えている。今こそ地に足をつけた状態で、全身を解放して過ごしたいと思ったのだ。
そうなれば、行動あるのみ。コジャイケからプエルトモンまでの片道切符をすぐさま購入し、翌日、僕たちは森の我が家へ戻った。
それからだろうか。
毎日、毎日、自然が素晴らしい風景を運んでくれる。
ずっと曇っていたのに夕方の一瞬だけ魔法のような光を見せてくれた初日。
燃える(c)

朝日に染まる静謐なオソルノ山、雨上がりの巨大な虹、あきれるほど美しい夕焼けの雲たち。
夕焼け(c)

オソルノ(c)

チャチャも毎日のように遊びに来ては、ムルタがたわわに実る森を一緒に散歩する。
ムルタの森(c)

チャチャとお花(c)

僕はこの9ヶ月、この森のエネルギーに守られてきた。貰ったものは、それ以上に自分の周りに返していきたいと思う。
今日もさっきまで撮影していた。
西側から突然雲が湧き上がり、たちまちオソルノ山の上に薄い雲が何層にもわたって流れてゆくのだ。シャッターを切りながら、僕も風と雲のような生き方がしたいなぁと思った。
オソルノにかかる雲(c)

こだわることなく、流れに逆らうことなく、自分の好きな方向へ進んでゆく。自然に身を任せ、目の前に起こる事に一つひとつ全力を尽くし、また運ばれる方向に自分を託す。そんな生き方をしたいな、と想う。
日本に住むところも、今はまだ書けないけれど、ほぼ決まっている。
このチリの森と、似ている場所へ。
オソルノ2(c)

僕はやっぱり、海よりも山が好き、そしてそこに広がる森が好き。晴天率が高いところより、雨の多い、雨上がりが美しいシットリした自然が好き。
やはり住んでみたい所の筆頭は“屋久島”以外ない。
でも、今年は出版に向けて、東京と名古屋に何度も通うことになるので、出来るだけ両都市に近い場所で住むことを決めた。
ご飯よりも、蕎麦、うどんなどの麺が大好物。こうなると、住む場所は限定されてくる。憧れのあの場所へ、日本のあの森で、6月くらいから生活を始めたいと思っている。
4月22日に帰国します。
久しぶりに日本は、どんな姿を見せてくれるかな?
故郷の岐阜は桜も終わり、山菜の季節に突入しているのだろう。
PS、今日、初めてパタゴニアでカミキリ虫を見ました。
                                    ノムラテツヤ拝
カミキリ(c)
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

パタゴニア | コメント:2 | トラックバック:0 |
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コメント

もう少しで日本にもどってみえるのですね。お会いできる日を楽しみにしています。チャチャは寂しいでしょうね・・・。森の家に通っては、「まだ撮影に行っているのかなあ。長いなあ今回の旅は・・・」って。
2009-03-21 Sat 07:16 | URL | toko [ 編集 ]
僕たちもチャチャと別れるのが一番辛いです。チャチャは僕たちがいなくても可愛がってくれる人の所へいって楽しく生きていくと思いますが、やはり別れというのは寂しいものですね。ただ、またどこかでチャチャに逢いに来られる日が来ると思っていますので、その時を心から楽しみにして、笑顔で別れたいと思っています。
2009-03-21 Sat 09:59 | URL | Tetsuya nomura [ 編集 ]

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