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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

新世界写真276

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世の中には数多くの宗教がある。キリスト教、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、儒教、ボン教。
僕の信仰はアニミズム(神道)だが、最も感動すること、それは人々が何かに祈るという行為。宗教が素敵なのではなく、そこに繋がろうとする行為全体が美しいのだと思う。
マルタ島から、ゴゾ島に船で渡り、斜光線が降り注ぐ中、地元民に大切にされている大聖堂へ向かった。ここは、世界で最も夢が叶う奇跡の聖堂と言われ、人々が真剣にミサをあげている姿に、胸の奥が熱くなった。
「人は何故祈るのか?」
それはそのまま逆説となる。「祈りは何故人なのか?」。
動植物の中で僕らだけが持ちえた不思議な力、それが祈り。最新の脳科学によると、祈りは、脳の海馬部分を活発にさせるという。記憶を司る大切な海馬、そこが祈りによってオンになるというのだ。
マルタのおばあちゃんが静かに手を合わせる。誰かが幸せになるための祈り。ふと、ブッタの言葉が脳裏によぎった。
「人生で一番大切なことは、幸せになること。心の底から人々の幸福を願う祈りは、最上の幸福感が得られ、見返りを求めない利他行動こそ、幸福感を永続的なものにする」。
では、なぜ利他の行動が、幸せに繋がっていくのか? それを、友人の山元加津子さん(以下、姫と呼ぶ)は、みんなでひとつの命を生きているからと教えてくれ、付き人の小林さんは、華厳経の奥義「宝珠の網(インドラの網)」を使い、一即多・多即一の世界観を伝えてくれた。
つまり、僕たちの中には全ての世界があり、すべての世界には自分がいるということ。人それぞれに幸福感はある。でも、その幸福を自分の内部だけに求めている人は、持続的な幸せを手にするのは難しいのかもしれない。だって、世界の命の中に、自身が写し鏡になって存在しているのだから。
ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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