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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

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日本で一番素敵な図書館、それは手前みそだが、岐阜市の図書館(コスモメディア)だと思う。設計は建築のノーベル賞と呼ばれる米プリツカー賞を受賞した伊東豊雄さんで、ひとたび足を踏み入れたら、そこには図書館というよりも豊かな森が広がっていた。
そんな僕に、阪根大学の山元副学長が、「てっちゃん、もっと素敵な図書館があったよ」と教えてくれたのだ。その名も「雲の上の図書館」。四万十川の上流部、梼原地区にある隈研吾さんが設計した図書館だという。
図書館フェチの僕としては黙っていられない。早速出かけてみると、田舎にこじんまりと建っている黒壁の図書館。中へ入ると、靴を脱がされ、スリッパを履かされた。隈研吾さん得意の負けの設計、国立競技場のように木をふんだんに使い、その香りが図書館に充満していた。
一回りしてみる。確かに見せ方は確かに面白く、子供たちがしゃがみ込んで絵本を取るような作りになっているが、いまいちピンと来ない。岐阜の方が素敵じゃない? いかんいかん、完全に故郷愛が勝ってしまっている。
心を静かにして、バイアスをかけずに、ただ目の前に在るものを淡々と見る。二回目、三回目と回ると、何か違和感を感じた。岐阜の図書館にはない、何かがここにはある。そして、僕の目の前で子供たちが教えてくれた。
キャッキャと追いかけっこをして遊んでいた女の子が突然止まり、座りながら本に手を伸ばす。そこで足を投げ出し、横になり、寝転びながら本を読み始めたのだ。
智を育む図書館を、自宅でいる感じで感じで欲しい。五感をフル稼働させ、読書を楽しんで欲しい。だからこそ、入り口では靴を脱ぐ。僕も真似をして本を読んでみる。投げ出した腿にひんやりとした冷たさ、背にもたれる木々の温もり、そして本から立ち上るインク臭。寝転んでみれば、木々が雨のように降り注ぐのだ。
素敵。。。無意識に僕はそう呟いていた。こんな図書館、家の近くにあったらいいなぁ~。副学長の勧める意味がよく分かりました。あっ、新書のコーナーを見ていたら、拙著の「世界の四大花園を行く」もありました。うふふ、嬉しいなぁ。雲の上の図書館さん、良い勉強をさせてもらいました。
ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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