新世界写真3222022-09-05 Mon 07:21
![]() イースター島への渡航歴は21回。 現地に住んで、写真絵本「イースター島 ちいさくて大きな島(福音館書店)」と「イースター島を行く ~モアイの謎と未踏の聖地(中央公論新社)」を出版した。 島の隅々まで、ほぼ訪れていない場所は無いほど歩いた。でも、まだ撮れていない写真があった。2冊の本で頭を悩ませた、島の全景写真だ。陸から撮ったものでは小さすぎ、ドローンの写真も捕らえきれていなかった。 空撮出来ない理由は2つ。まず15年前から観光用のセスナやヘリなどが全面禁止され、軍が領空すべてを支配していること。そしてもう一つがチリ側のサンティアゴから飛んでくる場合、どうしても地味な島東部から回り込み、空港へ降りていく。そして訪れる半分以上は天候が悪く、良いコンディションで臨めないのだ。 でも、21回も通い続けると、神様がほほ笑んでくれることもある。島での観光がすべて終わり、飛行機へ。窓際に乗り、カメラの準備をした。 機体は滑走路を東から西へ飛び立ち、そのまま一路、タヒチへ飛ぶ予定だった。が、上がってから少しすると、左翼が少し傾き始める。 まさか、ほんとか? どんどん角度が付き、島の西側の斜面を旋回していく。一番見たかった派手なラノカウ火口越しのイースター島全景。昔の写真集とかでは見たことがあるが、最近のものでは皆無。それが今、眼前に。天候は晴れ。見事な光がクレーターに落ちていた。 震える。この20年の想いを一気に吐き出し、あの静かな頂きの世界へ自分を戻す。一枚、一枚、イースターは生き物のように表情を変え、僕を魅了する。そうか、島が撮らせてくれているんだ。それを感じた瞬間、ぶわっっと涙が浮かび上がった。ピントがずれる。マニュアルで再度合わせ、また一枚、もう一枚と無意識にシャッターが切れた。ようやく撮影させてもらえた。これが「本物のイースター島の貌」だ。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
コメント |
コメントの投稿 |
|
トラックバック |
| ホーム |
|