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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

ななこラブ

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僕はあまりモノに固執しないけど、例外はある。
それが箸と酒盃。食事をするときに最も手にするものが箸、愛するお酒を美味しくするのが盃。だからこそ、箸と盃だけは自分が心から気に入ったものだけを使うようにしている。盃は夜光盃や薄口の陶器、銅盃や切子などが好き。箸はここ数年は、ずっと津軽塗(唐塗)だった。
阪根大学卒業式で青森を訪れた際、駅の構内で津軽塗が販売されていた。
まさに一目ぼれ、フォーリンラブだった。それは、初めて見る小さな丸い模様。まるで曜変天目茶碗のようだった。椀を手に取り、まじまじと眺めていると、漆職人が顔を出し、「それは菜種で模様を作っている」と、途上の作品を見せてくれた。下地の上に彩漆を塗り、乾かぬうちに菜種を一面に蒔き付ける。乾いたら菜種をはぎ取ると、彩漆の小さな輪紋が出来上がる。その繊細さ、そしてどれも同じ円ではない自然さに、心を打ち抜かれた。残念ながら講演の時間が迫っていたので、泣く泣くその場を離れタクシーに乗った。講演会場で友人のRさんにその話をすると、「てっちゃん、それは七々子塗だね。津軽塗の高い技法なのよ」と教えてくれた。「ななこちゃん、ななこちゃん」、僕はそう頭にインプットした。
飛騨縄文隊で数日ぶりに再会したRさんは、「これプレゼント」と細長いものを手渡してくれた。和紙の包みを開けると桐箱が、「津軽塗」の金文字が。
「えっ、えっ、」
流行る気持ちを押さえ箱を開けると、ななちゃんが二膳、行儀よく立っていた。
「うそっ」
「この前、好きだって言っていたでしょ。それでご飯食べてね」
きゃぁぁぁ、嬉しい。家の津軽塗の兄さん姉さんと共に、大切に使わせてもらいます。僕の家に、ななちゃんがやって来た。今日から、またひとつ、楽しみが増えました。Rさん、有難う~!!! 津軽塗ラブ、ななこラブ。
              ノムラテツヤ拝
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