新世界写真3692022-10-28 Fri 08:27
![]() 「あのさ、」と突然父が話し始めた。 「お父さん、まだてつやが幼稚園児だった頃に、飛騨の道をひとり車で走っていたんだ」 「それで?」 「うん、もうだいぶ暗くなっていて、数河高原のヘアピンカーブを曲がったところで、突然ドンと何かに当たったような衝撃が。あれ?と思いながらも岐阜の家に帰った。夜寝る時に、もしかしてあの衝撃は人だったのでは?と思うと、怖くなって警察に連絡した。翌朝、その場で現場検証をしてね」 「えっ、初めて聞く話だよね?」 「うん、家族ではお母さんしか知らない」 「それで?」 「もし人だったらと思うと、怖くて震えたよ。でも警察官の一言でホッとした。野村さん、熊がひかれて森へ落ちてます。当たったのは人じゃなくて、ツキノワグマですね」 「いやいや、熊も迷惑でしょ」 「本当に申し訳ないよ。当たり所が悪かったんだよなぁ」と父は、窓の外を見た。 きっと、熊の王国・知床で、熊の懺悔をしたかったのかな。ツキノワグマさん、僕も手を合わせます。どうか天界で楽しまれていますように。旅は人を感傷的にし、少しだけ心を楽にしてくれる。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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