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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

秋雲

家と秋雲(c)

あの冬の、夢のような一日を思い出していた。
パタゴニアの冬は雨が多い。3日や4日連続なら良いけれど、2週間くらい平気で降り続いた。それもシトシトなんて生易しいものではなく土砂降り、まさにゲリラ豪雨が延々と続くのだ。
水道は葉っぱが詰まり断水し、停電はしょっちゅう。その対応に追われる毎日だった。
けれど真冬の8月、14日間降り続いた雨は、嘘のように止み、15日目は朝からまばゆい光に包まれた。このワンチャンスを逃してなるものか、と朝から晩まで撮影した。オソルノ山もカルブコ山も、潤沢な雪が降り積もり、荘厳さを漂わせていた。空もずっと雨に洗われていたので、この上なく透明感がある。オソルノ山を撮影後、カルブコ山の麓で軽トレッキングをしながら、シャッターを押した。
夕方からは、雨期の時だけ現れる湖へ。ここにオソルノ山やカルブコ山が鏡のように映り込むのだ。そして家への帰り道、琵琶湖の3.4倍を誇るチリ最大のジャンキウエ湖沿いで雲がわき出てきた。雲はみるみるとオソルノ山へ近づき、空が鱗雲で覆われた。
あの壮大な鱗雲が、なんと今日も午後から現れたのだ。
最初はキャビンデッキから撮影していたけれど、もう、いてもたってもいられない。雲がどんどん沸き起こり、鱗状になってゆくのだ。
カメラと三脚を車に詰めて、以前と同じくエンセナーダ村のジャンキウエ湖畔へ向かった。家から車で10分の距離。途中、周りに牧場で、牛柄の馬が悠々と草を食んでいたのでオソルノ山をバックに撮影。
牛馬とオソルノ(c)

牛柄の馬については以前書いたので、ここでは触れない。
ウシ柄の馬(c)

西側から今日も雲が湧き、東へ流されてゆく。オソルノ山のすぐ上に雲が流れるように伸び、上空に吹きわたる強風が、雲を造形してゆく。
オソルノ山と秋雲(c)

森の葉は少しずつ黄色に染まり、秋の到来を告げていた。
秋が美雲を作るのだろうか?
この頃、ラッシュのように美しい風景を見せてくれる自然に、僕はゆっくりと手を合わした。
ジャンキウエ湖の浜には、波が押し寄せ、波頭に逆光が当たった。
クリスタルのような透明感ある水は、現地民たちの誇りでもあった。
自然に寄り添うように生かしてもらう。その姿が、このエンセナーダ村にはあるような気がした。
湖畔の家(c)

やがて雲はオソルノ山にかかり、クラウドショーは幕を閉じた。
今日の夕焼けは、また美しくなるのだろうか?
一瞬も、目が離せない季節。それがパタゴニアの秋なのかもしれない。
                                    ノムラテツヤ拝
オソルノと秋雲2(c)
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テーマ:自然の写真 - ジャンル:写真

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