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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

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2020年初頭、僕は宇城先生から自然界の奥義を教わった。
人間と自然の波長の違いから、どうして奇跡というものが起こるのかを。そして、それは外側ではなく、内側の状態が決め、全てのバランスが整った時に起こると。
例えば、僕は今まで湖に山々が完璧に映るのは、何度も通い続けた先に神様がご褒美として与えてくれるものと信じていた。それも間違ってはいない。だって、何度も通い続ければ、必ず内側も整っていくのだから。でも、その仕組みを知っていればどうだろう? 宇城先生は、僕が透明になる、自然に溶け合う瞬間に何が起きているのかを、言葉ではなく、僕自身の五感で感じさせてくれた。それは、頭の先端から氷が張る、またはクリスタルに包まれていくような感じ。足先まで抜けた時、僕は無意識となり、すべてがひとつになる。そしてその奥底にある無意識の意識が浮かび上がってくるところまで先生は見せてくれた。
「どうだ、分かったか?」
先生のあの時の優しい瞳を、僕は忘れることが出来ない。大きな、暖かな、まるで僕が愛する大自然そのものだった。
あれからだ。行く先々で自然が僕の望む以上ものを見せてくれるようになったのは。それは、僕の内側が変わったからか、それとも外側が変わったのかは分からない。でも一つだけ確かなのは、あの時以前の自分には無かった、もっと大きな、無限なものに包まれている感じがある。それは一体感であり、絶対的な安心感と呼んでもいいだろう。
富士の夜、今までは絶対に無理だと思っていた瞬間がやって来た。さざ波が消え、富士が湖面に姿を映し、満天の星々までもが地上へ降りてきた。本当の絶景は、あちらからやって来るものではなく、内側と外側が完璧にリンクしたときに出来るもの。宇城先生、大切な気付きを有難うございます。時間を1秒も無駄にせず、誰も見たことのない地平を目指します。
          ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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