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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

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「森の時計はゆっくり時を刻む」
倉本聰さん原案、脚本の伝説のドラマ「優しい時間」が放映されたのは、もう10年以上前のこと。寺尾聰主演で、二宮和也、長澤まさみ、大竹しのぶも出演していたっけ。エリート商社マンだった寺尾聰が、妻の死を機に退職。富良野に移住して、喫茶店「森の時計」を開く。そこに集う物語なのだけれど、毎度、何か劇的なことが起こるわけではない。淡々と人々の交流が描かれるだけなのに、何故か涙がこみあげてくる作品だった。その舞台となった喫茶店が、新富良野プリンスホテル近くにある。
10年前に訪れた時は、さすがに観光客だらけで長蛇の列。入るのを断念したが、今回は真冬。静かな時間が待っていてくれた。カウンターに座らせてもらうと、名物のコーヒーミルが10個並んでいる。番組内でもそうだったように、ここはコーヒー豆を自分で挽いて飲ませてもらえるのだ。ミルを時計回りにまわすと、車輪が軋むように、ギィーギィーという音が店内に響き渡る。やがてその音がジャージャーと滑らかになると、突然ふっと回す手が軽くなる。こうなると挽き終わり。それらを店員の女性が、丁寧にゆっくり、ゆっくりと淹れてくれる。ひと手間、ふた手間、そんな上質な時間が流れていく。
「どうぞ」
出された珈琲の表面には、純白の冬の森が。まるで、優しい時間がそこに浮かんでいるようだった。
           ノムラテツヤ拝
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