乳化2023-02-22 Wed 05:32
![]() 今から10年前、僕はイグアスの滝近くの町、ブラジル・フォスドイグアスにいた。 夕飯を町一番のイタリアンに決めて出かけると、まずブラジルのお酒、カイピリーニャのレベルの高さに驚いた。そして、テーブルに盛られたのは、シンプルなアーリオ・オーリオ、今まで幾度も食べてきたが、一口食べて、そのパスタの溶け具合に全身が震えた。 「これって、なんでこんなに溶け合っているんですか? 「乳化だよ、乳化。これが本物の乳化」 当たり前のように言う、阪根ひろちゃんの言葉に、僕の頭は???だった。 「にゅうかって、なんだ?」 調べてみると、乳化とは水と油を均一に混ざり合わせることを指し、主にペペロンチーノやアーリオ・オーリオで使われる技だと言う。あれから10年経っているが、僕はあれ以上のアーリオ・オーリオを食べたことがないほど、すべてが完璧に調和していた。 今日はイタリアの有名な詩人と、日本が生んだ天才文筆家の足跡を追ってトリエステへ。ランチに食べた、ポモドーロに、記憶がフラッシュバックした。イタリアらしい旨味たっぷりのフレッシュトマトに、オリーブオイルとバジル、そしてバリーヤ・ナンバー5か7くらいの太めのパスタが完全に乳化し、すべてが絡み合うように溶け合っていた。人生2度目の完璧な乳化だった。もちろん、僕の人生のポモドーロランキングで一位になったのは言うまでもない。 これほどの調和って、どうやったら出せるんだろ? 油と同量の茹で汁を混ぜて乳化をすると言われるが、それだけはない圧倒的な溶け具合。アルデンテのパスタで、歯ごたえもしっかり残るが、味がすべてパスタの中に封じ込まれ、パスタからチーズが溶け出てくるように、旨味だけがしみ出してくるのだ。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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