カステラの旅2023-02-27 Mon 16:37
![]() 20代の頃、同世代で僕より先を走る女性の旅人がいた。仮にYさんとしようか。Yさんは英語の教師をしながら、時間を見つけては、1カ国、また1カ国と旅を続け、世界地図をすべて塗りつぶすのが夢だと語っていた。その頃の僕といえば、アラスカ、南極、パタゴニアと旅し、極地&辺境ばかりに目を向けていた。互いに行き先が違うこともあって、世界の情報交換をよくしていた。その時に、Yさんからポルトガルへ行ってきた話を聞かせてもらった。 「ポルトガルで何をしたかったの?」 「うん、カステラの源を探す旅やねん」 「えっ、南蛮カステラ」 「そう、そう」 「で、見つかったの?」 「えらい大変やったけど、なんとか見つけて、大西洋を見ながら食べたわ」 「あはは、相変わらずだね」 そんな会話を旅の途上で思い出し、調べてみると、北部ポルトガルがカステラの故郷だと言う。 カステラの原型を、「パン・デ・ロー」と言い、近くのパン屋に出かけると、前もって電話予約してくれないと作ってないんだと返された。えっ、そんな幻のものなの? と幾つか当たっていると、ようやく巨大なモールでパンデローを見つけた。それも、中がしっとり半生のものと、カサカサのもの。ガッツポーズをしながらホールごと大人買い。さっそく部屋へ持ち帰り、切り分けてみる。 ![]() うむうむ、何だかカステラっぽいわ。一口食べて、うんうん、不味いわ。なんだこれ、恐ろしく不味い。エッグタルトっぽいしっとりした方も不味い。うぅぅ、このホール、どうなっちゃうの? 呆然としながら、Yさんとの会話の続きを思い出した。 「ポルトガルのカステラ、めっちゃ不味いねん。やっぱ日本のが一番やね」 はい、深く同意します。僕は、島原産の五三焼カステラが、一番好きです。それにしても、ここから現在のカステラまで昇華させる長崎人って、、、ひたすら尊敬します。 ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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