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写真家・野村哲也が贈る“地球の息吹”

新世界写真493

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見ざる、言わざる、聞かざる。言わずとしれた、日光の三猿(さんざる)だが、その隣に子猿を抱く親猿がいるのをご存じでしょうか?
僕はまったく知りませんでした(笑)。でもその親猿の仕草、子猿の視線に、グッとこみ上げるものがありました。
僕は3人兄弟で、4つ上に兄、2つ上に姉がいますが、父が岐阜ユースホステルのペアレント(主人)をしていたこともあり、金華山近くの山で育ちました。世界で最も美しい場所は岐阜、と断言できるのは、父と母がたくさんの岐阜の美を見せ続けてくれたこと。そして兄や姉が山の中で遊んでくれたことに尽きます。父は僕にディスカバーご近所の大切さを説きながら、いつも遠くに視線を向けていました。その先は外国。日々、お客さんが世界中からやってくる環境だったので、僕も自然と異国に目が向いていったのかもしれません。
「お父さん、どこを見ているの?」。子供なら、必ず追うであろうその視線が、兄の海外一人旅で現実となりました。
「てつや、マッキンリー山はとんでもなく凄いぞ!」
写真上手な兄が撮影した北米最高峰に心を打たれ、僕はすぐにアラスカへ。そこで写真の師と出逢い、恋に落ちるわけですから、人生は土台とは、神の御業で用意されているなとしみじみ思います。父が遠くを見て、兄がそれを現実世界へ引き寄せた。僕はその偉大な2人をただ見つめ、なんだか格好良いな、面白そうだなぁと後を追ったのでしょう。この子猿は何処へ向かうのかな? きっと、楽しい未来を進んでいくんだろうな。だってすぐ先には、日光の国宝、陽明門が建っているのですから。陽明門から本殿を結ぶ線、これは真北を差し、天空には北極星が輝きます。きっと天照大神に導かれながら、子猿は旅を始めるのでしょう。
            ノムラテツヤ拝
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テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

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