キヌア2023-03-09 Thu 18:43
![]() アラスカであれば、星野道夫さん。アンデスであれば、高野潤さん。そう、日本が生んだ世界へ轟く自然写真家だ。 その高野さんに、生前ペルー・クスコの酒場で聴いたことがある。 「高野さんの写真って、無限にあると思うのですが、昔から今まで売れ続けている写真ってありますか?」 「何度も、何度も売れているってことか?」と酒をあおる。 「はい」 「マチュピチュとか、アンデスの子供たちの写真だと思うだろ?」 頷く僕に、ちょっといたずらっ子のような瞳を輝かせて言う。 「キヌアだ」 「あの、アカザ科の?」 「そう、スーパーフードのキヌア」 「そのどんな写真ですか?」 「キヌアの実が付いている写真。哲也もしっかりと撮っておいたほうが良いぞ」 そう、何度も売れる写真というのは、古今東西、人があまり目にしないもの。あったとしても、それらに注意を払わなければ見過ごしてしまうもの。写真家とはつまり、人の見ない、観られないものを提示する仕事。だからこそ、高野さんの写真群の中で、最もキヌアが売れたというのは意外でもあり、大きな学びとなった。 天国にいらっしゃる高野さん、あの時のアドバイスのお陰で、キヌアの写真がまたテレビ局に売れました。有難うございます。 ノムラテツヤ拝 ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタン ![]() ![]() |
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