アサード2009-04-22 Wed 12:00
![]() 「やっぱり、昼食と言えばね」 ウィンクしながら、Iさんはクリコ市内の市場へ向かった。 キャベツにレタス、トマトなどの野菜類から、なんと牛肉を2キロも購入。 アルゼンチンやチリは、本当に肉が安い。2キロの肉塊で、たった1200円だから驚いてしまう。 クリコに住むIさんの妹宅へ行くと、ブラディとケルスティン夫妻が出迎えてくれた。 「わたしの息子ね」と、Iさんから有難い紹介を受ける。 旦那のブラディが、早速炭に火を入れ始めた。 ![]() 南米で、僕は何度、こんな歓待を受けただろう。 これから始まるのは、おもてなし料理のアサードだった。つまりは、巨大焼肉パーティー。 18歳から32歳まで、僕はいつも旅行者だった。旅先でもてなしてもらっては、将来の事に目を向けた。「いつか、僕も歓待する立場になる」と。 33歳~34歳まではチリ・パタゴニアの森で、世界一周中の友人や、タンデムサイクリスト、地元の人たちを歓待させてもらったが、立場が変わると目線も変化することを改めて知らされた。 普段、相手がしてくれる事が、いかに心配りの気持ちの途上にあるのかを、痛感させられるのだ。 Iさん夫妻も、ブラディ夫妻も、おもてなしの心が深かった。自然体で、流れるように、もてなしてくれる。視線の先を追って、いつも相手よりも先回りし、行動していた。 炭がやがて置火になると、網の上に2キロの巨大肉塊が並べられる。 ![]() 数年前はアルゼンチンの原野で、豚の丸焼き、大串に刺した羊焼き、アルマジロの焼き肉なんて経験もさせてもらった。 板肉は、少しずつ、じっくり遠赤外線効果で焼かれ、肉の油が汗が滴るように落ちてゆく。 ![]() 肉の表面には肉汁が浮かび、それがまた肉にしみ込んでゆく。 カルネ(肉)は、レアからミディアムへ。 ここで、チョリソと呼ばれるソーセージを置き、パンに挟む。 ![]() 大好きな国民料理、チョリパンだ。 そして、こんがりと網焼きされたところで、塩をふって出来上がり。 ![]() ブラディが至福の顔で、切り分けてくれる。 ![]() いっただきまぁ~す。 もちろん、肉の横にはワインの聖地らしく、ビーノ・ティント(赤ワイン)のボトルが置かれていた。 セロリとキャベツのサラダ、トマトと玉ねぎのサラダを前菜に、ジューシーな肉を頬張った。 アルゼンチンやチリの肉は、日本の刺しの入った芸術的な肉とは違い、野生の味というか肉本来の味がする。 噛めば噛むほど、汁がじんわり口内を襲った。 うまい。 普段はあまり肉を食べないけれど、こんな野性味溢れる肉はするするっと入る。何より真心というスパイスがのっているから、言うことなし。 お腹ポンポンになったところで、ブラディの古今東西よもやま話に笑った。 日が傾くころ、クリコをおいとまして、ランカグアのIさん宅へ戻った。 明日は、朝から雑務をこなし、首都・サンチアゴの国際空港へ向かう。 帰国が迫ってきているのに、全然実感が湧かないのは、どうしてだろう? ノムラテツヤ拝 ![]() ランキングに参加しています。“地球の息吹”を楽しくご覧下さった方は、ぜひ1日1回「人気ブログランキングへ」ボタンをクリックお願い致します! ↓ ココをクリック! ![]() |
コメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
履歴書の見本さまへ
どうも有難うございます。 アサードはやっぱり美味しいですね。 ノムラテツヤ拝 2014-08-30 Sat 17:46 | URL | [ 編集 ]
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